
総合人間科学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
現代社会は、少子高齢化、グローバル化、情報化など、複雑に絡み合った課題に直面しています。これらの課題を解決し、より良い社会を築くためには、人間を多角的に理解することが不可欠です。もしあなたが、人間の行動や心理、社会、文化、歴史などを総合的に探求し、現代社会の課題解決に貢献したいという強い思いを持っているなら、総合型選抜は、あなたの探求心と多角的な視点を大学に伝え、総合人間科学の世界への扉を開くための絶好のチャンスです。
今回の記事では、総合人間科学部への進学を志す皆さんに向けて、総合型選抜の基本から、合否の鍵を握る「志望理由書」の書き方、具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。あなたの知的好奇心と多角的な視点を言葉に乗せ、志望校合格への道を力強くサポートします!
改めて知る総合型選抜:あなたの「個性」を輝かせる入試
総合型選抜(旧AO入試)は、従来の学力試験の点数だけでは測れない、皆さんの個性、意欲、そして将来の可能性を総合的に評価する入試制度です。大学が掲げるアドミッション・ポリシー(求める学生像)と、皆さんのこれまでの経験、興味関心、そして将来の目標がどれだけ合致しているかを、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーションといった多様な方法で丁寧に評価します。
一般選抜(旧一般入試)が一律の学力で評価されるのに対し、総合型選抜は、皆さんが主体的に取り組んできた活動や、そこから得られた学び、そして将来への明確なビジョンが重視されます。「特定の分野に対する強い探求心がある」「学力以外の自分の強みを活かしたい」と考える皆さんにとって、総合型選抜はまさに自分を最大限にアピールできる入試方式と言えるでしょう。
特に総合人間科学部は、人間の多様な側面に対する深い興味、多角的な視点、柔軟な思考力、探求心、そして社会貢献への強い意志を重視する傾向があります。
合格への羅針盤!総合人間科学部 志望理由書の書き方徹底解剖
総合型選抜において、志望理由書はあなたの熱意と多角的な視点を大学に伝えるための、最も重要なプレゼンテーションツールです。総合人間科学部への強い思いを効果的に表現し、合格を掴むための具体的な書き方を、段階的に見ていきましょう。
1.書く前の準備:人間と社会への多角的な探求心
心を惹きつける志望理由書は、徹底的な自己分析と総合人間科学への深い探求心から生まれます。
① 人間と社会への多角的な探求心を掘り下げる自己対話
あなたが「なぜ?」と感じ、もっと深く知りたいと思うことは何でしょうか?人間の行動、心理、社会構造、文化、歴史、倫理、宗教、情報、メディア…過去の経験を振り返りながら、あなたの探求心の根源にある出来事や出会いを具体的に思い出してみましょう。例えば、ボランティア活動で社会問題に触れた経験、異文化交流で価値観の違いを実感した経験、メディアリテラシーについて考えた経験、哲学的な問いに興味を持った経験などが挙げられます。
- 自身の強みと探求心を結びつける: 自己分析を通じて、総合人間科学を学ぶ上で活かせる自分の強み(例:多角的な視点、分析力、考察力、柔軟な思考力、コミュニケーション能力、共感性、論理的思考力、探求心など)を見つけ出し、アピールポイントを明確にしましょう。同時に、自分の弱点も認識し、それをどのように克服しようと努力しているかを伝えることも重要です。
- 探求心を未来の学びへと繋げる: 総合人間科学の学びを通して、将来どのような問いを探求したいのか、どのような知識やスキルを身につけたいのか、どのような形で社会に貢献したいのか、具体的な目標を設定しましょう。「人間について深く学びたい」という抽象的な目標ではなく、「〇〇学と△△学の融合を通して、現代社会における〇〇という課題の解決に貢献したい」「〇〇という研究を通して、人間の〇〇を解明したい」など、より具体的にすることで、大学側にあなたの知的な意欲と目的意識が強く伝わります。
② 志望する大学・学部を知的好奇心のアンテナで捉える
- 大学の理念・アドミッション・ポリシーを多角的な探求の視点から深く理解する: 大学のウェブサイトや募集要項を隅々まで読み込み、その大学がどのような学問的探求を重視し、どのような人材を求めているのかを理解しましょう。特に、総合人間科学部の教育目標、カリキュラム、研究分野、特色あるプログラム(例:心理学、社会学、文化人類学、哲学、教育学、情報学など、多様な分野を横断的に学ぶプログラム)、関連する研究室などを詳細に調べ、あなたの探求心と合致する点を見つけ出すことが不可欠です。
- 探求したい専門分野を自身の知的好奇心と結びつける: 総合人間科学部が提供する多様な専門分野の中から、あなたが特に深く探求したい分野を具体的に特定し、なぜその分野に惹かれるのか、どのような問いを持って研究に取り組みたいのか、そしてその研究を通して社会のどのような課題解決に貢献できると考えるのかを明確にしましょう。
- 大学の特色ある環境・リソースを知的探求の舞台として捉える: その大学ならではの研究施設、図書館の蔵書、博物館・資料館の所蔵品、著名な研究者、海外研究機関との連携、フィールドワークの機会などを調べ、あなたの知的好奇心を満たし、探求を深めるための環境が整っているかを確認しましょう。これらの情報を志望理由書に盛り込むことで、「この大学でこそ私の知的好奇心を満たし、多角的な視点を養い、社会に貢献できる人材へと成長したい」という強い気持ちを具体的に示すことができます。
2.構成で多角的な視点を表現する!論理的で情熱的な志望理由書の設計図
自己分析と大学・学部研究に基づき、いよいよ志望理由書を書き始めます。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の基本構成を参考にしてあなたの知的好奇心と多角的な視点が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「〇〇という問いに対する探求心を抱き、心理学、社会学、文化人類学など、多角的な視点からその探求を深めたいと考え、貴学総合人間科学部を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる探求心と、多角的な視点から人間と社会を探求したいという強い意志を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
- 一貫性の提示
- あなたの探求心がどのように芽生え、どのような経験や出会いを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜその出来事に心を惹かれ、どのような疑問を持ったのか、そしてそれに対してどのように向き合ってきたのかを記述しましょう。
- 志望動機
- なぜその大学の総合人間科学部を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、特色あるプログラム(学際的な学びができるプログラムなど)、地域連携プロジェクトなど、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい問いや学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という問いに対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という学際的なプログラムを通して、〇〇学と△△学の融合を学び、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような問いを軸に学びを進めたいのか、どのような研究に取り組みたいのか、具体的な探求計画を示しましょう。また、将来、総合人間科学の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の知的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の研究を通して、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」「貴学で培った〇〇の分析力と考察力を活かし、〇〇に関する新たな知見を発見したい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、総合人間科学の探求を通してより良い社会の実現に貢献したいという意欲を述べ、志望理由書を知的な興奮とともに締めくくりましょう。「貴学の多様な学びの環境の中で、人間の多様な側面を理解し、現代社会の課題解決に貢献できる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【総合人間科学部特有の視点:多角的な視点と探求心をアピールする要素】
総合人間科学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの知的な魅力と多角的な視点がより深く伝わる内容にすることができます。
- 人間の多様な側面への関心: 人間の行動、心理、社会構造、文化、歴史、倫理、宗教、情報、メディアなど、人間の多様な側面に興味を持ち、多角的に理解しようとする姿勢を示す記述。
- 学際的な視点: 心理学、社会学、文化人類学、哲学、教育学、情報学など、複数の学問分野に関心を持ち、学際的な視点から人間と社会を探求しようとする姿勢を示す具体的な経験や考えを記述する。
- 柔軟な思考力と批判精神: 固定観念にとらわれず、多様な価値観を理解し、多角的な視点から物事を考察しようとする姿勢を示すエピソードや考えを記述する。
- 論理的思考力と分析力: 複雑な情報を整理し、論理的に分析し、考察する能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
- コミュニケーション能力と協調性: 他者と円滑にコミュニケーションを取り、協力しながら課題解決に向けて取り組むことができる能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
- 社会貢献への強い意志: 現代社会が抱える様々な課題に関心を持ち、総合人間科学の学びを通して、その解決に貢献したいという強い意志を示す。
3.合格への道標!総合人間科学部 志望理由書の例文
ここでは、総合人間科学部総合人間学科を志望する架空の受験生「佐藤健太さん」の志望理由書の例文をご紹介します。
【例文:佐藤健太さんの志望理由書】
私が貴学総合人間科学部総合人間学科を強く志望する理由は、情報化社会における人間の心理と行動に関心を抱き、心理学、社会学、情報学など、多角的な視点からその探求を深め、より良い情報社会の実現に貢献したいと強く考えているからです。
高校生になった時から、SNSの普及が人々のコミュニケーションや人間関係に与える影響に関心を持つようになりました。情報過多による心理的な負担、匿名性による誹謗中傷、SNS依存など、情報化社会が抱える問題に触れる中で、「情報化社会における人間の幸福とは何か」という問いを持つようになりました。ボランティア活動に参加する中で、情報リテラシー教育の重要性を実感し、情報心理学、情報社会学、メディア論など、多角的な視点から情報化社会における人間の心理と行動を研究したいという思いを強く抱くようになりました。貴学の〇〇教授の「情報社会における人間の心理と行動に関する学際的研究」に関する著作を拝読し、心理学、社会学、情報学の融合による新たな知見に深く感銘を受けました。
貴学総合人間科学部総合人間学科では、心理学、社会学、文化人類学、情報学など、多様な分野を横断的に学ぶことができるカリキュラムに加え、情報社会における倫理的な課題や情報リテラシー教育に関する実践的な学びの機会が豊富に用意されていると伺い、私の情報化社会への貢献意欲を実現するための学びの場として、強く魅力を感じています。特に、△△研究室におけるSNS利用者の心理分析に関する研究や、□□センターとの連携による情報リテラシー教育に関する実践的な取り組みは、情報社会における人間の心理と行動を多角的に学ぶ上で、非常に貴重な機会となると考えています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、SNS利用が若者の自己肯定感に与える影響に関する研究に積極的に取り組み、健全なSNS利用を促進するための具体的な提案を行いたいと考えています。また、□□センターでのボランティア活動にも積極的に参加し、情報リテラシー教育の現場で実践的なスキルを習得したいと考えています。将来的には、教育機関やIT企業などで、情報心理学、情報社会学、メディア論の専門家として、情報社会における人間の幸福を追求し、より良い情報社会の実現に貢献できる人材になりたいと考えています。
貴学の学際的な学びの環境と、情報社会における人間の心理と行動に関する豊富な研究実績、そして熱意あふれる教授陣の下で、総合人間科学に関する専門知識と研究スキルを深く学び、長年の夢を実現したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 情報化社会への強い関心と多角的な視点: SNSと若者の心理という情報化社会の具体的な課題に焦点を当て、心理学、社会学、情報学という多角的な視点から探求したいという意欲を明確に示しています。
- 大学・学部との明確な接続: 教授の研究分野や大学のセンターにおける取り組みなど、大学の具体的な特徴と自身の学びたい分野、情報化社会への貢献意欲を明確に結びつけています。
- 具体的な探求計画: 研究テーマや参加したい活動など、入学後の具体的な学習計画を示すことで、目的意識の高さをアピールしています。
- 総合人間科学への深い理解と関心: 心理学、社会学、情報学など、複数の学問分野への関心と、学際的な学びへの意欲を示すことで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
- 社会貢献への強い意志: 情報化社会における人間の幸福を追求し、より良い情報社会の実現に貢献したいという強い意志をアピールしています。
最後の仕上げ!志望理由書を知的好奇心と多角的な視点で満たす最終確認
志望理由書を提出する前に、以下の項目を必ずチェックし、あなたの知的好奇心と多角的な視点を最大限に表現しましょう。
- 誤字脱字・文法ミスはないか: 丁寧に読み返し、心理学、社会学、情報学など、関連する分野の専門用語や固有名詞の表記ミスがないかを確認しましょう。
- 文字数制限は守られているか: 大学が指定する文字数制限を必ず守りましょう。超過や不足がないように注意が必要です。
- 体裁は整っているか: 段落分けや改行が適切に行われ、読みやすい体裁になっているか確認しましょう。
- 表現は具体的か: 抽象的な表現は避け、具体的な社会現象や自身の経験に基づいて記述するように心がけましょう。
- オリジナリティはあるか: 他の人の例文を参考にするのは良いですが、あなた自身の視点や考えを正直に表現することが最も重要です。
- 大学のアドミッション・ポリシーとの整合性: 大学が求める学生像(多角的な視点を持ち、社会貢献への意欲が高い人材など)を再度確認し、あなたの強みがそれに合致しているかを意識しましょう。
- 知的好奇心と多角的な視点は伝わっているか: あなたの知的な興奮と、多角的な視点から人間と社会を探求したいという強い意志が読み手に伝わるように、情熱を込めて書きましょう。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの知的好奇心と多角的な視点を大学に直接伝えることができる貴重な機会です。
今回の記事が、皆さんが自身の思いを整理し、魅力的な志望理由書を作成するための一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。