工学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、特に多くの受験生が志望する「工学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。

「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「志望理由書って、何を書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。

私たちと一緒に、あなたの熱意と可能性を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の工学部合格を掴み取りましょう!

改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして工学部が求める人物像とは?

まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で工学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。

大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技など、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。

一般選抜との違い

一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、課外活動への取り組み、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。

工学部が求める人物像

それでは、工学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの工学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。

  • 理数系の基礎学力と探求心: 自然科学や数学に対する興味関心があり、論理的に思考する力を持っていること。
  • ものづくりへの興味・関心: 新しい技術や製品を生み出すことに喜びを感じ、創造的な活動に意欲があること。
  • 課題発見・解決能力: 社会のニーズや問題点に気づき、工学的な知識や技術を用いて解決策を探求できること。
  • コミュニケーション能力と協調性: チームで協力して研究や開発に取り組むことができること。
  • 倫理観と責任感: 技術が社会に与える影響を理解し、責任ある行動をとることができること。

これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学びと結びつけながら、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。

工学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント

次に、実際に工学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

一般的な志望理由書の構成要素と、工学部特有の視点を交えながら解説します。

志望理由書の基本的な構成

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

下記の基本構成を参考にあなたの技術への情熱が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。

【志望理由書の基本的な構成例】

  1. 志の宣言
    • 最初に、「〇〇という工学分野を通して、〇〇という社会課題を解決したいという強い思いを持ち、貴学工学部(または〇〇学科)を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる工学への探求心と、エンジニアとして実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
  2. 一貫性の提示
    • あなたの工学への探求心がどのように育まれ、どのような経験や工学との出会いを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜその工学分野に心を惹かれ、どのような製品、技術、システムを開発・研究したいと思うようになったのかを記述しましょう。
  3. 志望動機
    • なぜその大学の工学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、特色あるプログラム、企業との共同研究など、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という課題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□というプログラムを通して、〇〇の技術を深く学び、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
    • 入学後、どのような工学分野を学び、どのような製品、技術、システムを開発・研究したいのか、具体的な活動計画を示しましょう。また、将来、工学の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の技術を開発し、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」「貴学で培った〇〇の知識やスキルを活かし、〇〇という分野で新たな価値を創造したい」といった記述が考えられます。
  4. 〆のひと押し
    • 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、工学を通してより良い未来を創造したいという意欲を述べ、志望理由書を技術への情熱とともに締めくくりましょう。「貴学の自由な発想を育む環境の中で、工学の可能性を追求し、未来社会をデザインできるエンジニアへと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。

【工学部特有の視点:技術への情熱とエンジニアとしての才能をアピールする要素】

工学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの技術への情熱とエンジニアとしての才能がより深く伝わる内容にすることができます。

  • 特定の工学分野への深い興味と探求心: 機械工学、電気電子工学、情報工学、建築学、化学工学、材料工学など、特定の分野に対する強い興味と、その技術を深く理解しようとする探求心を示す記述。
  • ものづくりへの情熱と創造性: 新しい製品、技術、システムを生み出そうとする情熱、斬新な発想力、そしてそれを実現しようとする意欲を示す具体的なエピソードや成果物を記述する(例:ロボット製作、電子工作、プログラミング、設計コンテストなど)。
  • 論理的思考力と問題解決能力: 複雑な課題を分析し、工学的な知識や手法を用いて論理的に解決策を導き出し、それを実現する能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
  • 実践的なスキルと経験: これまでに培ってきた実践的なスキルや経験を具体的に記述する(例:CAD/CAMの操作、プログラミング経験、実験・実習の経験、設計・製作の経験など)。
  • 設計力と実装力: 製品、構造物、システムなどの設計能力、そしてそれを実際に形にする実装能力を示す。
  • チームワークとコミュニケーション能力: チームでプロジェクトに取り組んだ経験や、異なる専門性を持つ他者と協力しながら目標達成に向けて取り組んだ経験を示す。
  • 倫理観と社会貢献意識: 工学技術が社会や環境に与える影響を倫理的に考察し、持続可能な社会の実現や人々の生活の向上に貢献したいという意識を示す。
  • 理数系の基礎学力: 高校の理科や数学の学習を通して培われた、工学を学ぶ上で不可欠な基礎学力を示す記述。

工学部 志望理由書作成のポイント

上記の基本構成要素を踏まえつつ、工学部特有の視点を意識することが重要です。

  • 具体的なエピソードを盛り込む: 単に「ものづくりが好きです」と言うだけでなく、具体的な経験(例:〇〇製作コンテストでの経験、プログラミング学習の経験、身の回りの製品を改良した経験など)を交え、どのように興味関心を深めてきたのかを伝えましょう。
  • 理数系科目への興味・関心を明確に示す: 高校での理数系科目の学習を通して、どのような点に面白さを感じ、さらに深く学びたいと思ったのかを具体的に記述しましょう。特定の分野(例:数学の〇〇の定理、物理の〇〇の法則など)に触れるのも効果的です。
  • 将来の目標と学びたい分野の関連性を明確にする: 将来、どのようなエンジニアになりたいのか、どのような技術開発に貢献したいのかという具体的な目標を設定し、そのために大学のどの分野を深く学びたいのかを結びつけましょう。大学のカリキュラムや研究室について具体的に言及することも有効です。
  • 課題意識と探求心を示す: 社会が抱える課題(例:環境問題、エネルギー問題、高齢化社会など)に対して、工学の知識や技術を用いてどのように貢献したいのか、具体的なアイデアや関心を示しましょう。
  • 大学のアドミッション・ポリシーとの合致を意識する: 各大学の工学部がどのような学生を求めているのかを事前にしっかりと調べ、自身の経験や考え方がどのように合致するのかを明確に伝えましょう。

工学部 志望理由書の例文

それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な工学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。

【例文:山田太郎さんの志望理由書】

私が貴学工学部機械工学科を強く志望する理由は、環境負荷を低減する革新的な輸送機器の開発を通して、持続可能な社会の実現に貢献したいという強い思いがあるからです。

幼い頃から、自動車や航空機といった輸送機器の構造と機能に強い興味を持ち、図鑑や模型製作を通してその魅力に触れてきました。特に、近年深刻化する地球温暖化問題を知る中で、既存の輸送機器が環境に与える負荷の大きさを痛感し、より環境に優しい次世代の輸送システムを開発したいという強い思いを抱くようになりました。高校の物理の授業で学んだエネルギー変換や流体に関する知識は、私のこの思いをさらに具体化する原動力となりました。高校2年生の夏には、科学部の活動として、ソーラーカーの製作にチームで取り組み、設計から製作、走行実験までの一連の過程を経験する中で、理論を実践に応用する面白さと難しさを学びました。貴学の〇〇教授の「次世代自動車のエネルギー効率に関する研究」に関する論文を拝読し、環境工学と機械工学の融合による革新的な技術開発の可能性に改めて感銘を受けました。

貴学工学部機械工学科では、熱力学、流体工学、材料力学、設計製図など、次世代輸送機器の開発に必要な基礎知識と専門知識を体系的に学ぶことができるカリキュラムに加え、環境エネルギー研究センターとの連携による実践的な研究プロジェクトに参加できる機会が豊富に用意されていると伺い、私の持続可能な社会への貢献意欲を実現するための学びの場として、強く魅力を感じています。特に、△△研究室における軽量化素材を用いた高効率航空機の設計研究や、□□企業との共同研究による燃料電池自動車の開発プロジェクトは、環境負荷低減に貢献する輸送機器の開発に携わりたいという私の目標と強く合致しています。

入学後は、〇〇教授の指導の下、軽量化素材と最適化設計を用いた次世代航空機の開発に関する研究に積極的に取り組み、燃費効率の向上とCO2排出量の削減に貢献したいと考えています。また、□□企業との共同研究プロジェクトにも積極的に参加し、企業における最新の開発動向を学び、研究成果を社会実装するための実践的なスキルを習得したいと考えています。将来的には、自動車メーカーや航空機メーカーなどの輸送機器関連企業で、機械エンジニアとして、環境負荷を低減する革新的な技術開発に携わり、持続可能な社会の実現に貢献できる人材になりたいと考えています。

貴学の最先端の研究環境と、環境エネルギー分野における豊富な研究実績、そして熱意あふれる教授陣の下で、機械工学に関する専門知識と開発スキルを深く学び、長年の夢を実現したいと強く願っております。

【例文から学ぶポイント】

  • 社会課題への強い関心と工学による解決意欲: 地球温暖化という社会課題に焦点を当て、環境負荷低減という具体的な目標と、機械工学を通してその解決に貢献したいという強い意志を明確に示しています。
  • ものづくりへの情熱と具体的な経験: ソーラーカー製作という具体的な経験を通して、ものづくりの楽しさ、理論を実践に応用する難しさ、そしてチームワークの重要性を学んだことを記述し、工学への情熱と実践的なスキルをアピールしています。
  • 大学・学部との明確な接続: 教授の研究分野や大学の研究センター、企業との共同研究など、大学の具体的な特徴と自身の学びたい分野、社会貢献への意欲を明確に結びつけています。
  • 具体的な探求計画: 軽量化素材を用いた航空機の設計研究や、企業との燃料電池自動車開発プロジェクトへの参加など、入学後の具体的な学習・研究計画を示すことで、目的意識の高さをアピールしています。
  • 工学への深い理解と関心: 熱力学、流体工学、材料力学、設計製図といった機械工学の主要な分野への関心を示すことで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
  • 理数系の基礎学力への言及: 物理の学習を通して工学への関心を深めたことに触れ、理数系の基礎学力が工学への探求心を支えていることを示唆しています。

最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト

最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。

  • 大学・学部のアドミッション・ポリシーを理解しているか?
  • なぜその大学・学部で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
  • 高校での経験や学びが、大学での学習や将来の目標と結びついているか?
  • 具体的なエピソードを交え、自身の強みや個性をアピールできているか?
  • 入学後の学習計画や目標が具体的に述べられているか?
  • 将来の展望が明確に示され、社会に貢献したいという意欲が伝わるか?
  • 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
  • 指定された文字数制限を満たしているか?
  • 熱意と誠意が伝わる文章になっているか?

これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書を提出してください。

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。

KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、工学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。

※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。