農学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、食料、環境、生命科学を総合的に学び、持続可能な社会の実現に貢献する「農学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。

「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「農学部の志望理由書って、どんなことを書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。

私たちと一緒に、あなたの生命への探求心と食と農への情熱を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の農学部合格を掴み取りましょう!

改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして農学部が求める人物像とは?

まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で農学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。

大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技など、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。

一般選抜との違い

一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、課外活動への取り組み、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。

農学部が求める人物像

それでは、農学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの農学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。

  • 生命科学への強い興味と探求心: 生物、植物、土壌など、生命現象や自然環境への深い興味を持ち、積極的に学ぼうとする意欲があること。
  • 食と農への関心と社会貢献意識: 食料問題、環境問題、地域活性化など、食と農に関わる社会課題に関心を持ち、解決に貢献したいという意識を持っていること。
  • 論理的な思考力と問題解決能力: 複雑な情報を整理し、論理的に分析し、問題解決のための適切な判断を下すことができること。
  • 実験・実習への意欲と実践的なスキル: 実験やフィールドワークを通して、実践的な知識や技術を身につけることに意欲があること。
  • コミュニケーション能力と協調性: チームで協力して研究やプロジェクトに取り組むことができること。
  • 持続可能な社会への貢献意識: 食料生産、環境保全、地域社会の発展など、持続可能な社会の実現に貢献したいという意識を持っていること。

これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学びと結びつけながら、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。

農学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント

次に、実際に農学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

一般的な志望理由書の構成要素と、農学部特有の視点を交えながら解説します。

志望理由書の基本的な構成

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

下記の基本構成を参考にあなたの生命への情熱と食と農への貢献意欲が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。

【志望理由書の基本的な構成例】

  1. 志の宣言
    • 最初に、「〇〇という食と農に関わる課題に対し、農学の知識と技術を通して解決したいという強い思いを持ち、貴学農学部(または〇〇学科)を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる生命への探求心と、研究者または技術者として実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
  2. 一貫性の提示
    • あなたの生命科学への興味や食と農への関心がどのように育まれ、どのような経験や学びを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜ農学という分野に心を惹かれ、どのような研究や技術開発を通して社会に貢献したいと思うようになったのかを記述しましょう。
  3. 志望動機
    • なぜその大学の農学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、フィールドワーク、地域連携など、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という課題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□というプログラムを通して、〇〇と〇〇の知識を統合し、〇〇という持続可能な食料生産システムの構築に貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
    • 入学後、どのような分野を学び、どのような研究や技術開発を通して社会に貢献したいのか、具体的な活動計画を示しましょう。また、将来、農学の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇という技術を開発し、〇〇という食料問題を解決したい」「貴学で培った〇〇と〇〇の知識やスキルを活かし、〇〇という分野で持続可能な農業システムの構築に貢献したい」といった記述が考えられます。
  4. 〆のひと押し
    • 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、農学を通してより良い未来を創造したいという意欲を述べ、志望理由書を生命への情熱とともに締めくくりましょう。「貴学の豊かな自然環境と実践的な学びの中で、農学の可能性を追求し、持続可能な社会の実現に貢献できる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。

【農学部特有の視点:生命への探求心と食と農への貢献意欲をアピールする要素】

農学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの生命への探求心と食と農への貢献意欲がより深く伝わる内容にすることができます。

  • 生命現象や自然環境への深い関心: 生物、植物、土壌、生態系など、生命現象や自然環境への深い関心を示す具体的なエピソードや考察を記述する。
  • 食料問題や環境問題への意識: 食料不足、食の安全、環境汚染、地球温暖化など、食と農に関わる社会課題への意識を示す記述。
  • 持続可能な農業システムへの関心: 環境負荷の少ない農業、地域資源の活用、食料自給率の向上など、持続可能な農業システムの構築への関心を示す。
  • 地域社会との連携への意欲: 地域農業の活性化、農村地域の振興、地域住民との交流など、地域社会との連携への意欲を示す。
  • 実験・実習への意欲と実践的なスキル: フィールドワーク、栽培技術、分析技術、遺伝子組換え技術など、農学に関連する実践的なスキルを具体的に記述する。
  • 倫理観と社会貢献意識: 食料生産や環境保全における倫理的な問題に関心を持ち、社会に貢献したいという強い意識を示す。

農学部 志望理由書作成のポイント

上記の基本構成要素を踏まえつつ、農学部特有の視点を意識することが重要です。

  • 生命科学への興味を具体的なエピソードで示す: 授業で特に興味を持った内容、自主的に調べたこと、関連する本を読んだ経験など、生命科学への興味を具体的に記述しましょう。
  • 食と農に関心を持ったきっかけや具体的な目標を示す: 食料問題、環境問題、地域活性化など、食と農に関わる社会課題への関心や、将来どのような研究者・技術者になりたいかという具体的な目標を示しましょう。
  • 実験・実習、フィールドワークなどの経験について記述する: 農作業、家庭菜園、植物栽培、生物観察、環境調査など、農学に関連する経験があれば、そこから得られた学びや気づきを具体的に記述しましょう。
  • 論理的な思考力、分析力、コミュニケーション能力をアピールする: 物事を論理的に考え、データを分析する力、自分の考えをわかりやすく伝えるコミュニケーション能力などを具体的にアピールしましょう。
  • 大学の教育方針や研究環境への理解を示す: 大学の特色や研究設備、教授陣の専門分野、フィールドワークの機会などを事前に調べ、自身の興味や目標とどのように合致するのかを具体的に述べましょう。

農学部 志望理由書の例文

それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な農学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。

【例文:田中美咲さんの志望理由書】

私が貴学農学部食料資源科学科を強く志望する理由は、地域固有の農作物を活用した新たな食料生産システムを構築し、地域活性化と食料自給率向上に貢献したいという強い思いがあるからです。

幼い頃から、祖父母の畑仕事を手伝い、食料生産の現場に触れてきました。特に、地域固有の農作物が、その土地の気候風土に適応し、独自の栄養価や風味を持つことに魅力を感じ、これらを活用した新たな食料生産システムを構築することで、地域活性化と食料自給率向上に貢献できるのではないかと考えるようになりました。高校では、生物部で植物の生育に関する実験を行い、化学の授業で食品成分分析の基礎を学びました。また、地域活性化ボランティアに参加し、地域の農家の方々と交流する中で、地域農業の課題や可能性を肌で感じました。貴学農学部食料資源科学科の〇〇教授の「地域資源を活用した食料生産システムの開発」に関する研究を拝読し、持続可能な食料生産システムの実現に貢献したいと強く思いました。

貴学農学部食料資源科学科では、植物育種学、食品科学、地域経済学など、食料生産に関わる幅広い分野を学ぶことができるカリキュラムに加え、地域自治体や農家との共同研究プロジェクトに参加できる機会が豊富に用意されていると伺い、私の目標を実現するための最適な環境であると確信しています。特に、〇〇教授が主宰する地域資源活用研究室における最先端の研究活動や、△△市との連携による地域特産品開発プロジェクトに参加できる機会は、私が将来、持続可能な食料生産システムの構築に貢献できる研究者になるという目標を実現するための貴重な経験となると確信しています。

入学後は、〇〇教授の指導の下、地域固有の農作物の特性解析、新品種の開発、加工技術の開発、流通システムの構築など、新たな食料生産システムの構築に関わる専門知識と技術を深く学び、地域特性に合わせた最適な食料生産システムの提案と実証研究に積極的に取り組みたいと考えています。また、研究室のメンバーや他分野の研究者、地域農家の方々と協力し、地域活性化に貢献できる食料生産システムの開発に挑戦したいと考えています。将来的には、研究機関や食品企業などで、地域資源を活用した食料生産システムの開発と普及に貢献できる研究者・技術者になりたいと考えています。

貴学の地域社会との連携における豊富な実績、充実した研究設備、そして熱意あふれる教授陣の下で、食と農の可能性を追求し、地域社会と食料問題の解決に貢献できる人材へと成長したいと強く願っております。

【例文から学ぶポイント】

  • 食と農への強い関心と地域貢献への意識: 地域固有の農作物を活用した新たな食料生産システムという具体的な目標を掲げ、地域活性化と食料自給率向上という社会貢献への強い意識を示しています。
  • 具体的な経験と学びの接続: 祖父母の畑仕事の経験や、生物部、化学、地域活性化ボランティアでの活動が、大学での研究テーマへの関心を深めたきっかけとなっていることを具体的に記述しています。
  • 大学・研究室との明確な繋がり: 興味のある教授の研究内容や地域社会との共同研究プロジェクトを具体的に挙げ、なぜその研究室で学びたいのかを明確に述べています。
  • 具体的な学習・研究計画: 入学後に学びたい分野や取り組みたい研究テーマ、地域社会との連携活動などを具体的に示しています。
  • 生命科学への探求心と社会科学的な視点の融合: 植物育種学、食品科学などの生命科学的な知識だけでなく、地域経済学などの社会科学的な知識も学び、地域社会に貢献したいという意欲を示しています。
  • 将来のビジョンと社会貢献への強い意志: 地域資源を活用した食料生産システムの開発と普及に貢献できる研究者・技術者になりたいという明確なビジョンと強い意志を示しています。

最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト

最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。

  • 大学・学部のアドミッション・ポリシー(特に農学部の求める人物像)を深く理解しているか?
  • なぜその大学・学部の特定の分野で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
  • 高校での生物、化学、地理などの学習経験が、大学での専門的な学習や将来の研究目標と結びついているか?
  • 生命現象や自然環境への関心、食料問題や環境問題への意識、持続可能な農業システムへの関心などを具体的に記述しているか?
  • 実験・実習、フィールドワークなどの経験について具体的に記述しているか?
  • 入学後の具体的な学習計画や研究への意欲、地域社会との連携への意欲が明確に述べられているか?
  • 将来の展望や、社会貢献への意欲が伝わるか?
  • 倫理観について言及しているか?
  • 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
  • 指定された文字数制限を満たしているか?
  • あなたの生命への探求心、食と農への情熱、そして未来への貢献意欲が伝わる文章になっているか?

これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書を提出してください。

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、農学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。