文学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

総合型選抜(旧AO入試)において、志望理由書は、あなたの文学への情熱、知的好奇心、そして大学での学びへの意欲を伝えるための羅針盤です。文学部を目指す皆さんにとって、なぜ文学を深く探求したいのか、どのような問題意識や興味関心を持っているのかを、言葉を通して鮮やかに示すことが合格への扉を開く鍵となります。

この記事では、文学部の志望理由書を作成する際の重要なポイントを、具体的な例文を交えながら丁寧に解説します。あなたの文学への熱い想いを効果的に表現し、大学の心に響く志望理由書を作成するために、ぜひ参考にしてください。

1. 文学部の志望理由書で大学が見るポイント

文学部の総合型選抜において、大学は志望理由書を通して、主に以下の点に着目しています。

  • 文学への強い関心と探求心: なぜ文学を学びたいのか、特定の文学作品や作家、文学のジャンルに対する深い興味や関心が具体的に示されているか。
  • 知的好奇心と考察力: 文学作品を読み解き、その背景にある歴史、文化、社会、人間の心理などを多角的に考察しようとする意欲があるか。
  • 問題意識や独自の視点: 既存の研究や解釈にとらわれず、自分ならではの問題意識や視点を持っているか。
  • 大学・学部への理解と学びへの意欲: 大学の理念や文学部の特色、カリキュラム、研究分野などを理解し、自身の学びたい内容と結びつけているか。入学後、主体的に学びに取り組む意欲があるか。
  • 表現力と文章構成力: 自身の考えや文学への想いを、豊かで適切な言葉を用いて分かりやすく表現する力があるか。論理的な構成で文章を組み立てる力があるか。
  • 将来の展望と文学の学びの繋がり: 文学を通して何を学び、将来どのようにその知識や思考力を社会に活かしたいと考えているか、具体的な展望を持っているか。

これらの要素を踏まえ、あなた自身の文学に対する熱意と、文学部で学びたいという強い意志を込めた志望理由書を作成することが重要です。

2. 文学部の志望理由書作成ステップ

魅力的な志望理由書を作成するために、以下のステップでじっくりと取り組んでいきましょう。

2.1. 自己分析を深める

  • 文学との出会いを振り返る: どのようなきっかけで文学に興味を持ったのか、最初に心を惹かれた作品や作家、ジャンルは何だったのか、具体的な出会いを思い出してみましょう。
  • 特に興味のある分野やテーマを明確にする: 好きな作家、作品、時代、文学史上の潮流、特定のテーマ(ジェンダー、アイデンティティ、社会批判など)など、特に深く探求したい分野やテーマを具体的に絞り込みましょう。
  • 文学作品を通して考えたこと、感じたことを掘り下げる: これまで読んできた文学作品の中で、特に印象に残った場面、心を揺さぶられた言葉、深く考えさせられたテーマなどを具体的に挙げ、なぜそう感じたのか、どのように考えたのかを掘り下げて分析しましょう。
  • 自身の強みと文学への適性を考える: 感受性、共感力、想像力、言語化能力、探求心、批判的思考力など、自身のどのような強みが文学部での学びに活かせると考えられるか分析しましょう。
  • 将来の展望を思い描く: 文学を学ぶことで、将来どのような道に進みたいのか、どのような形で社会に貢献したいのか、具体的な展望を思い描いてみましょう。研究者、教師、編集者、ライター、ジャーナリスト、図書館司書など、文学の知識を活かせる多様な進路があります。

2.2. 大学・学部研究を徹底する

  • 大学の理念・特色を理解する: 大学のウェブサイトやパンフレットを熟読し、どのような教育理念を持ち、どのような特色のある教育を提供しているのかを理解しましょう。
  • 文学部の学科・専攻、カリキュラム、研究分野を調べる: 文学部のウェブサイトで、どのような学科や専攻があるのか、どのような科目が開講されているのか、教員の専門分野などを詳しく調べましょう。特に興味のある研究テーマや教授を見つけることが重要です。
  • アドミッションポリシーを確認する: 大学がどのような学生を求めているのか、アドミッションポリシーを必ず確認し、自身の興味関心や強みと合致する点を見つけましょう。
  • オープンキャンパスや説明会に参加する: 可能であれば、オープンキャンパスや説明会に参加し、大学の雰囲気や教員の生の声に触れることで、より具体的なイメージを持つことができます。

2.3. 志望理由の骨子を組み立てる

自己分析と大学・学部研究を踏まえ、以下の要素を盛り込んだ志望理由の骨子を考えましょう。

  1. 文学部を志望する理由(文学への関心の原点、特に興味のある分野や作品)
  2. 大学・学部を選んだ理由(カリキュラム、研究分野、教授、理念・特色との関連性)
  3. 入学後に学びたいこと(具体的な科目、研究テーマ、取り組みたい研究など)
  4. 自身の強みや適性(文学部での学びへの活かし方)
  5. 将来の展望と文学の学びの繋がり

2.4. 構成を考え、文章を作成する

骨子に基づき、論理的で分かりやすい構成を考え、文章を作成します。

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

  • 志の宣言: 文学部を志望する結論を冒頭で述べ、文学への強い関心を示す具体的なエピソードや問題提起を行うことで、読み手の興味を引きつけます。
  • 一貫性の提示: 文学に興味を持った原体験や、特に心を惹かれた作品、作家、テーマなどを具体的に述べ、なぜそれらに惹かれたのか、どのような考察をしたのかを掘り下げて説明します。
  • 志望動機: なぜその大学・学部の文学部を選んだのか、具体的なカリキュラム、研究分野、注目している教授の名前などを挙げながら、自身の学びたい内容との関連性を詳細に説明します。入学後、どのような科目を履修し、どのような研究テーマに取り組みたいのか、具体的な計画を示します。自身のこれまでの経験や強みが、文学部での学びにどのように活かせると考えているかを述べると、説得力が増します。
  • 〆のひと押し: 文学部での学びを通して、将来どのような目標を達成したいのか、文学の知識や思考力をどのように社会に活かしたいのか、具体的な展望を述べ、入学への強い決意を示します。

3. 文学部の志望理由書作成のポイント

読み手の心を捉え、高評価を得るための志望理由書を作成するために、以下のポイントを意識しましょう。

  • 「なぜ文学なのか」を深く掘り下げる: 他の人文科学系の学部ではなく、なぜ「文学」を学びたいのか、その根源的な理由を明確にしましょう。言葉の力、物語の魅力、人間の心の探求、歴史や文化への関心など、あなた自身の内なる動機を示すことが重要です。
  • 具体的な作品や作家に言及する: 抽象的な表現だけでなく、具体的な文学作品のタイトルや作家の名前を挙げ、その作品のどのような点に心を惹かれたのか、どのような考察をしたのかを具体的に記述しましょう。
  • あなた自身の「読み」を示す: 単なるあらすじ紹介や一般的な解釈の繰り返しではなく、あなた自身の独自の視点や解釈を示すことが重要です。文学作品から何を感じ、何を考えたのか、あなたならではの「読み」を表現しましょう。
  • 大学・学部の特色との結びつきを強調する: 調べた大学・学部のカリキュラムや研究分野、教授陣の専門などを具体的に উল্লেখし、自身の興味関心とどのように合致するのか、なぜその大学で学びたいのかを明確に伝えましょう。
  • 情熱と知的好奇心を伝える: 文学に対するあなたの熱い想いと、知的好奇心旺盛な姿勢を文章全体から滲み出させましょう。
  • 美しい日本語と論理的な文章構成を心がける: 文学を学ぶ上で、言葉の力は非常に重要です。美しく、かつ論理的な文章で、あなたの考えを丁寧に表現しましょう。誤字脱字や文法ミスは厳禁です。
  • オリジナリティを追求する: 他の受験生と似たような内容にならないよう、あなた自身の個性的な経験や文学との関わり方を深く掘り下げ、オリジナリティのある志望理由書を作成しましょう。

4. 文学部の志望理由書 例文

以下に、文学部の志望理由書の例文を3つご紹介します。これらを参考に、あなた自身の言葉で、情熱溢れるオリジナルの志望理由書を作成してください。

4.1. 例文1:物語の力に魅せられて

「幼い頃から物語を読むことが何よりも好きで、小説の一行一句に込められた感情や情景が、私の心に深く響いてきました。特に〇〇(作家名)の〇〇(作品名)を読んだ時、言葉が持つ無限の可能性と、物語を通して人間の心の奥底まで探求できる文学の力に強い衝撃を受けました。〇〇大学文学部には、日本近現代文学の研究に力を入れていらっしゃる〇〇教授がおられ、先生の〇〇に関するご研究に深く感銘を受けております。入学後は、〇〇教授のご指導の下、〇〇(作品名)をはじめとする日本近現代文学作品を深く読み解き、言葉の持つ力、物語が人々の心に与える影響について、多角的な視点から研究を深めたいと考えております。将来は、編集者として、人々の心を豊かにする物語を世に送り出す仕事に携わりたいと考えております。」

4.2. 例文2:言葉と文化への探求心

「高校の授業で〇〇(外国の作家名)の〇〇(作品名)を読んだことをきっかけに、異なる言語で書かれた文学作品を通して、その文化や歴史、人々の価値観に触れることに強い興味を持つようになりました。言葉は単なるコミュニケーションの道具ではなく、文化そのものを映し出す鏡であると考えるようになったのです。〇〇大学文学部には、〇〇学や〇〇文化論など、多様な言語と文化を横断的に学べるカリキュラムが用意されており、私の知的好奇心を強く刺激されました。特に、〇〇先生の〇〇に関するご研究に魅力を感じております。入学後は、〇〇語の習得に励みながら、〇〇文学作品の読解を通して、その背景にある歴史や文化、社会構造について深く考察したいと考えております。将来的には、翻訳家として、異なる文化を持つ人々の間に架け橋となるような仕事をしたいと考えております。」

4.3. 例文3:文学作品におけるジェンダー表象への問題意識

「幼い頃から様々な文学作品に触れる中で、作品におけるジェンダーの描かれ方に疑問を持つようになりました。古典文学から現代文学に至るまで、女性が特定の役割に限定的に描かれたり、男性中心の視点で物語が語られたりする作品が多く見られることに気づき、文学作品が社会のジェンダー観に与える影響について深く考えるようになりました。〇〇大学文学部には、ジェンダー研究を専門とされている〇〇教授がおられ、先生の〇〇に関するご研究に強い関心を抱いております。入学後は、文学作品におけるジェンダー表象について、歴史的、社会的な背景を踏まえながら多角的に分析する研究を進めたいと考えております。また、文学作品を通して、ジェンダーに関する多様な視点を学び、社会におけるジェンダー平等の実現に貢献できる人材になりたいと考えております。」

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

文学部の総合型選抜における志望理由書は、「なぜ文学を学びたいのか」「どのような文学に関心があるのか」「大学で何を学びたいのか」「将来、文学をどう活かしたいのか」を、具体的なエピソードや考察を交えながら、情熱を持って語ることが重要です。あなた自身の言葉で、文学への深い愛情と知的好奇心を表現し、大学の心に響く志望理由書を作成してください。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。