商学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

総合型選抜(旧AO入試)において、志望理由書は、あなたのビジネスに対する強い関心、経済社会の動きを捉える視点、そして商学への学びへの熱意を大学に伝えるための重要なツールです。グローバル化、デジタル化、そして社会構造の変化が加速する現代において、ビジネスの仕組みを深く理解し、新たな価値創造や社会課題の解決に貢献したいという志を持つ皆さんにとって、なぜ商学を学びたいのか、どのような問題意識や将来のビジョンを持っているのかを明確に示すことが合格への鍵となります。

この記事では、商学部の志望理由書を作成する際の重要なポイントを、具体的な例文を交えながら丁寧に解説します。あなたのビジネスへの情熱と未来への展望を効果的に表現し、大学の心に響く志望理由書を作成するために、ぜひ参考にしてください。

商学部の志望理由書で大学が見るポイント

商学部の総合型選抜において、大学は志望理由書を通して、主に以下の点に着目しています。

  • ビジネスへの強い関心と問題意識: 現代社会の企業活動、市場の動向、消費者の行動、流通の仕組みなどにおけるどのような点に関心を持ち、どのような課題意識を持っているか。具体的な事例を交えながら、関心の広さと深さが示されているか。
  • 商学への明確な志望動機: なぜ経済学部や経営学部ではなく、商学部で学びたいのか、商学特有の視点(マーケティング、流通、会計、金融など)から社会や企業の課題解決に貢献したいという意欲が明確に述べられているか。
  • 経済社会の動きに対する関心と理解: 国内外の経済情勢、産業構造の変化、技術革新の動向などに対し、日頃から関心を持ち、自分なりの理解を深めているか。
  • 論理的思考力と分析力: ビジネスや経済の現象を客観的なデータに基づいて分析し、論理的に考察する力があるか。複雑な情報を整理し、本質を見抜く力があるか。自身の考えを分かりやすく、筋道立てて説明する力があるか。
  • コミュニケーション能力と協調性: 将来、企業や組織において他者と協力し、円滑なコミュニケーションを図りながら目標達成に向けて主体的に行動したいという意欲があるか。
  • 大学・学部への理解と学びへの意欲: 大学の理念や商学部の特色、カリキュラム、研究分野(マーケティング論、流通論、会計学、財務会計論、金融論、保険論など)を理解し、自身の学びたい内容と結びつけているか。入学後、主体的に学びに取り組む意欲があるか。
  • 将来の展望と商学の学びの繋がり: 商学で学んだ知識やスキルを活かして、将来どのように社会や企業に貢献したいと考えているか、具体的な目標やキャリアビジョンを持っているか。

これらの要素を踏まえ、あなた自身のビジネスへの熱意と、商学部で学び、未来のビジネスを創造・発展させたいという強い意志を込めた志望理由書を作成することが重要です。

商学部の志望理由書作成ステップ

将来のビジネスパーソンとしての可能性を示す説得力のある志望理由書を作成するために、以下のステップでじっくりと取り組んでいきましょう。

1. 自己分析を深める

  • ビジネスへの関心を掘り下げる: 日常生活の中で、気になる企業、商品、サービス、広告、経済ニュースなどを通して、どのようなビジネスに関心を持つようになったのか、具体的なきっかけや出来事を思い出してみましょう。特定の業界、企業戦略、マーケティング手法など、関心のあるテーマを明確にしましょう。
  • 問題意識の具体化: 関心のあるビジネスや経済活動について、現状はどうなっているのか、どのような課題があるのか、より良くするためにはどうすれば良いかなど、自分なりに調べ、深く考えることで、問題意識を具体化しましょう。
  • 経済社会の動きに対する関心を振り返る: 最近の経済ニュースや産業動向で特に気になったこと、それについてどのように考えたかをメモしておきましょう。なぜそのニュースに関心を持ったのか、自分なりの解釈を深めることが重要です。
  • 自身の強みと商学への適性を考える: 論理的思考力、分析力、情報収集力、コミュニケーション能力、企画力、行動力、数字に対する抵抗のなさなど、自身のどのような強みが商学部での学びに活かせると考えられるか分析しましょう。
  • 将来の展望を思い描く: 商学を学ぶことで、将来どのような分野で活躍したいのか、どのようなビジネスパーソンになりたいのか、具体的なビジョンを思い描いてみましょう。企業のマーケター、商品開発担当、金融機関の専門家、会計士、コンサルタント、起業家など、幅広い進路が考えられます。

2. 大学・学部研究を徹底する

  • 大学の理念・特色を理解する: 大学のウェブサイトやパンフレットを熟読し、どのような教育理念を持ち、どのような特色のある教育を提供しているのかを理解しましょう。実践的な学び、グローバルな視点、地域社会との連携などを重視しているかなどを確認しましょう。
  • 商学部の学科・専攻、カリキュラム、研究分野を調べる: 商学部のウェブサイトで、どのような学科や専攻があるのか(マーケティング学科、会計学科、金融学科、国際ビジネス学科など)、どのような科目が開講されているのか、教員の専門分野(特定の産業分析、マーケティング戦略論など)を詳しく調べましょう。特に興味のある研究テーマや教授を見つけることが重要です。
  • アドミッションポリシーを確認する: 大学がどのような学生を求めているのか、アドミッションポリシーを必ず確認し、自身の関心、経験、強みなどが合致する点を見つけましょう。
  • オープンキャンパスや説明会に参加する: 可能であれば、オープンキャンパスや説明会に参加し、大学の雰囲気や教員の生の声に触れることで、より具体的なイメージを持つことができます。在学生の活動や卒業生の進路なども参考にしましょう。

3. 志望理由の骨子を組み立てる

自己分析と大学・学部研究を踏まえ、以下の要素を盛り込んだ志望理由の骨子を考えましょう。

  1. 商学部を志望する理由(ビジネスへの関心、経済社会の動きへの関心、商学への興味のきっかけ)
  2. 大学・学部を選んだ理由(カリキュラム、研究分野、教授、特色あるプログラム、理念・特色との関連性)
  3. 入学後に学びたいこと(具体的な科目、研究テーマ、挑戦したい活動など)
  4. 自身の強みや適性(論理的思考力、分析力、コミュニケーション能力、経済社会への関心など)
  5. 将来のビジョンと商学の学びの繋がり(成し遂げたいこと、貢献したい分野など)

4. 構成を考え、文章を作成する

骨子に基づき、論理的で分かりやすい構成を考え、文章を作成します。

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

商学部の特性を踏まえ、客観的な分析力や将来のビジネスに対する意欲を示す構成を意識しましょう。

  • 志の宣言: 商学部を志望する結論を冒頭で述べ、あなたのビジネスへの関心を象徴するような具体的なエピソードや問題提起を行うことで、読み手の興味を引きつけます。
  • 一貫性の提示: あなたが持つビジネスへの関心や、現代社会のビジネスにおける課題、経済社会の動きで特に注目していることなどを具体的に述べ、なぜ商学の視点からそれらの課題解決や動向理解に取り組みたいと考えるようになったのかを説明します。
  • 志望動機 :なぜその大学・学部の商学部を選んだのか、具体的なカリキュラム、研究分野、注目している教授の名前、特色あるプログラム(企業連携プロジェクト、海外研修など)などを挙げながら、自身の学びたい内容との関連性を詳細に説明します。 入学後、どのような科目を履修し、どのような研究テーマに取り組みたいのか、具体的な計画を示します。課外活動やインターンシップへの意欲なども積極的に述べましょう。自身のこれまでの経験や強み(分析経験、コミュニケーション能力など)が、商学部での学びにどのように活かせると考えているかを述べると、説得力が増します。
  • 〆のひと押し: 商学部での学びを通して、将来どのような分野で活躍し、どのようなビジネスパーソンになりたいのか、具体的なビジョンを述べ、入学への強い決意を示すとともに、あなたの熱意と将来性を印象づけましょう。

商学部の志望理由書作成のポイント

読み手の心を捉え、高評価を得るための志望理由書を作成するために、以下のポイントを意識しましょう。

  • 「なぜ商学なのか」を明確にする: 経済学部や経営学部など、他の隣接分野ではなく、なぜ「商学」を学びたいのか、その理由を具体的に示しましょう。市場、流通、取引、会計、金融、保険など、商学特有の研究対象や視点に触れながら説明することが重要です。
  • 具体的な企業事例や経済社会の動きに言及する: 抽象的な関心だけでなく、あなたが実際に注目している企業、商品、サービス、業界、あるいは経済ニュースなどを挙げ、それらに対するあなた自身の分析や問題意識を具体的に述べましょう。
  • 論理的思考力とデータ分析への興味を示す: ビジネスや経済の現象を感情的に語るのではなく、客観的なデータに基づいて分析し、論理的に考察する姿勢を示しましょう。市場調査データや財務諸表などを読み解くことへの興味を示すのも効果的です。
  • 大学・学部の特色と自身の関心を結びつける: 調べた大学・学部のカリキュラム、研究分野、教授陣の専門、提供されているプログラム(ケーススタディ、企業との連携プロジェクト、海外研修など)などを具体的に 언급し、あなたの関心のあるビジネス領域や将来の目標とどのように関連するのかを明確に示しましょう。
  • コミュニケーション能力やチームワークへの意識を示す: ビジネスの現場では、他者との円滑なコミュニケーションや協力が不可欠です。これまでの経験を通して学んだコミュニケーションの重要性や、チームで目標達成に向けて取り組むことへの意欲を示すのも良いでしょう。
  • 将来の目標と学びの繋がりを具体的に示す: 商学で学んだ知識やスキルを活かして、将来どのような分野で活躍し、社会や企業に貢献したいのか、具体的な目標やキャリアパスを描きましょう。特定の業界や職種を意識して記述すると、より説得力が増します。
  • 熱意と主体性を伝える: 商学に対するあなたの熱い想いと、主体的に学び、将来の目標に向けて積極的に行動したいという強い意志を文章全体から伝えましょう。
  • 独自性とオリジナリティを追求する: 他の受験生と似たような内容にならないよう、あなた自身のユニークな視点、問題意識、経験を深く掘り下げ、オリジナリティ溢れる志望理由書を作成しましょう。

商学部の志望理由書 例文

以下に、商学部の志望理由書の例文を3つご紹介します。これらを参考に、あなた自身の言葉で、ビジネスへの情熱と未来への展望を表現したオリジナルの志望理由書を作成してください。

例文1:地域特産品の流通に関心、マーケティング戦略を学びたい

「私が〇〇大学商学部マーケティング学科を志望する理由は、地元地域の特産品の魅力を全国、そして世界に広げたいという強い思いがあり、そのために不可欠なマーケティング戦略について専門的に学びたいと考えているからです。高校の地域活性化イベントで地元の農産物の販売を手伝った際、商品の魅力が十分に伝わっていないことや、効果的な販売ルートが確立されていないことを痛感しました。貴学部マーケティング学科では、消費者行動論や流通論、デジタルマーケティングなど、現代のビジネスに不可欠な専門科目が充実しており、実践的なスキルを習得できると確信しております。特に、〇〇教授の地域ブランドに関する研究に感銘を受けており、先生のご指導の下で、地域資源を活かした新たなマーケティング戦略を研究し、地域経済の活性化に貢献できる人材になりたいと考えております。将来は、地元の企業でマーケティング担当者として、地域ブランドの価値向上と販路拡大に尽力したいと考えております。」

例文2:グローバルな金融市場に関心、金融の専門知識を深めたい

「グローバル化が加速する現代において、国際的な金融市場の動向が世界経済に大きな影響を与えることに強い関心があり、その仕組みや役割について深く学びたいと考え、〇〇大学商学部金融学科を志望いたします。ニュースや新聞で報道される金融市場の動きや金融政策について自主的に学習する中で、金融の専門知識の重要性を強く認識しました。貴学部金融学科では、金融論、証券投資論、国際金融論など、専門性の高い科目が体系的に用意されており、理論と実践の両面から金融について深く学ぶことができると確信しております。また、貴学には金融業界で活躍された経験を持つ教員が多く在籍しており、実践的な知識を学ぶことができる点も魅力です。入学後は、〇〇教授の金融市場分析に関する研究室で学びながら、金融市場の効率性やリスク管理について研究を深め、将来は金融機関で、経済の安定と成長に貢献できるプロフェッショナルを目指したいと考えております。」

例文3:企業の透明性と信頼性に関心、会計学を専門的に学びたい

「企業活動における透明性と社会からの信頼性の重要性を強く感じ、会計学を専門的に学びたいと考え、〇〇大学商学部会計学科を志望いたします。高校の簿記の授業を通して、企業の経済活動が数字によって明確に記録され、管理される仕組みに興味を持つようになりました。近年、企業の不正会計などが社会問題となる中で、会計の専門家が果たすべき役割の重要性を改めて認識しました。貴学部会計学科では、財務会計論、管理会計論、監査論など、会計に関する専門科目が充実しており、企業活動の健全性を支えるための専門知識と倫理観を深く学ぶことができると確信しております。また、公認会計士資格の取得を支援する体制が整っている点も魅力です。入学後は、〇〇教授の企業会計に関する研究室で学びながら、企業の財務情報の分析や評価に関する研究を深め、将来は公認会計士として、企業の透明性を確保し、社会からの信頼を得ることに貢献できる人材を目指したいと考えております。」

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

商学部の総合型選抜における志望理由書は、「なぜ商学を学びたいのか」「現代社会のビジネスや経済の動きのどのような点に関心があるのか」「大学で何を学び、将来どのように社会や企業に貢献したいのか」を、具体的なエピソードや考察を交えながら、論理的にかつ情熱的に語ることが重要です。あなた自身の視点と将来への明確なビジョンを深く掘り下げ、大学への強い思いを込めた志望理由書を作成してください。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。