
- 1. 人文学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
- 2. 人文学部の志望理由書で大学が見るポイント
- 3. 人文学部の志望理由書作成ステップ
- 3.1.1. 1.自己分析を深める
- 3.1.2. 2.大学・学部研究を徹底する
- 3.1.3. 3.志望理由の骨子を組み立てる
- 3.1.4. 4.構成を考え、文章を作成する
- 4. 人文学部の志望理由書作成のポイント
- 5. 人文学部の志望理由書 例文
- 5.1.1. 例文1:日本の古典文学への深い関心と国文学研究への熱意
- 5.1.2. 例文2:異文化理解への強い関心と文化人類学への探求心
- 5.1.3. 例文3:人間の心の働きへの根源的な問いと哲学への探求心
- 6. KOSSUN教育ラボの活用
- 7. KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 8. KOSSUN教育ラボからのメッセージ
人文学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
総合型選抜(旧AO入試)において、志望理由書は、あなたの人間や文化に対する深い関心、知的好奇心、そして人文学への学びへの熱意を大学に伝えるための重要なツールです。グローバル化や情報化が進む現代において、人間とは何か、文化とは何かを深く理解することは、多様な価値観が共存する社会で生きる上で不可欠な力となります。人文学を通して、人間と文化の本質を探求し、豊かな人間性を育みたいという志を持つ皆さんにとって、なぜ人文学を学びたいのか、どのような問題意識や将来のビジョンを持っているのかを明確に示すことが合格への鍵となります。
この記事では、人文学部の志望理由書を作成する際の重要なポイントを、具体的な例文を交えながら丁寧に解説します。あなたの人間と文化への深い探求心を効果的に表現し、大学の心に響く志望理由書を作成するために、ぜひ参考にしてください。
人文学部の志望理由書で大学が見るポイント
人文学部の総合型選抜において、大学は志望理由書を通して、主に以下の点に着目しています。
- 人間と文化に対する深い関心と探求心: 歴史、文学、哲学、言語、宗教、芸術など、人間が生み出す様々な文化現象に対し、強い関心を持ち、その背景にある思想や歴史、社会構造などを深く探求しようとする意欲があるか。
- 知的好奇心と主体的な学びの姿勢: 未知の事柄や複雑な問題に対し、知的な好奇心を持って積極的に学び、自ら問いを立て、深く考察しようとする姿勢があるか。
- 多様な価値観への理解と共感力: 異なる時代、異なる文化、異なる立場の人々の考え方や価値観を理解しようと努め、共感する力があるか。
- 論理的思考力と考察力: 物事を多角的に捉え、客観的な情報に基づいて分析し、論理的に考察する力があるか。自身の考えを分かりやすく、筋道立てて説明する力があるか。
- 表現力とコミュニケーション能力: 自身の考えや考察を、的確かつ魅力的な言葉で表現する力があるか。他者の意見を尊重し、建設的な対話を行おうとする姿勢があるか。
- 大学・学部への理解と学びへの意欲: 大学の理念や人文学部の特色、カリキュラム、研究分野(文学、歴史学、哲学、言語学、文化人類学など)を理解し、自身の学びたい内容と結びつけているか。入学後、主体的に学びに取り組む意欲があるか。
- 将来の展望と人文学の学びの繋がり: 人文学で学んだ知識や思考力を活かして、将来どのように社会に貢献したいと考えているか、具体的な目標やビジョンを持っているか。
これらの要素を踏まえ、あなた自身の人間と文化への深い探求心を表現し、人文学部で学びたいという強い意志を込めた志望理由書を作成することが重要です。
人文学部の志望理由書作成ステップ
人間と文化に対する知的好奇心を示す説得力のある志望理由書を作成するために、以下のステップでじっくりと取り組んでいきましょう。
1.自己分析を深める
- 関心のある人文科学の分野を特定する: 歴史、文学(特定の作家や作品)、哲学(特定の思想家やテーマ)、言語学(特定の言語や言語現象)、文化人類学、宗教学、考古学、美術史、音楽史など、特に興味のある分野を具体的に特定しましょう。
- なぜその分野に関心を持つのか掘り下げる: 特定した分野について、どのようなきっかけで興味を持ったのか、どのような点に魅力を感じるのか、具体的なエピソードや経験を思い出してみましょう。
- これまでの学びや活動を振り返る: 関連する書籍を読んだ経験、博物館や美術館を訪れた経験、歴史的な場所を訪れた経験、外国語学習の経験、文化的な活動に参加した経験などを具体的に振り返り、そこから何を得たのかを考えましょう。
- 問題意識や疑問点を見つける: 関心のある分野について調べる中で、疑問に思ったこと、もっと深く知りたいと思ったこと、あるいは問題だと感じたことなどを具体的に書き出してみましょう。
- 自身の強みと人文学への適性を考える: 読解力、文章力、考察力、論理的思考力、共感力、異文化理解力、探求心、知的好奇心など、自身のどのような強みが人文学部での学びに活かせると考えられるか分析しましょう。
- 将来の展望を思い描く: 人文学を学ぶことで、将来どのような分野で活躍したいのか、どのような形で社会に貢献したいのか、具体的な展望を思い描いてみましょう。研究者、学芸員、教師、翻訳家、編集者、ジャーナリスト、文化関連の仕事など、幅広い進路が考えられます。
2.大学・学部研究を徹底する
- 大学の理念・特色を理解する: 大学のウェブサイトやパンフレットを熟読し、どのような教育理念を持ち、どのような特色のある教育を提供しているのかを理解しましょう。少人数教育、専門分野の強み、国際交流の機会などを確認しましょう。
- 人文学部の学科・専攻、カリキュラム、研究分野を調べる: 人文学部のウェブサイトで、どのような学科や専攻があるのか(文学科(国文学、英文学など)、史学科(日本史学、西洋史学など)、哲学科、文化学科など)、どのような科目が開講されているのか、教員の専門分野(特定の時代、作家、思想など)を詳しく調べましょう。特に興味のある研究テーマや教授を見つけることが重要です。
- アドミッションポリシーを確認する: 大学がどのような学生を求めているのか、アドミッションポリシーを必ず確認し、自身の関心、能力、意欲などが合致する点を見つけましょう。
- オープンキャンパスや説明会に参加する: 可能であれば、オープンキャンパスや説明会に参加し、大学の雰囲気や教員の生の声に触れることで、より具体的なイメージを持つことができます。在学生の活動や卒業生の進路なども参考にしましょう。
3.志望理由の骨子を組み立てる
自己分析と大学・学部研究を踏まえ、以下の要素を盛り込んだ志望理由の骨子を考えましょう。
- 人文学部を志望する理由(特定の分野への関心、知的好奇心、問題意識)
- 大学・学部を選んだ理由(学科・専攻、カリキュラム、研究分野、教授、特色あるプログラム、理念・特色との関連性)
- 入学後に学びたいこと(具体的な科目、研究テーマ、挑戦したい活動など)
- 自身の強みや適性(読解力、考察力、知的好奇心、多様な価値観への理解など)
- 将来のビジョンと人文学の学びの繋がり(成し遂げたいこと、貢献したい分野など)
4.構成を考え、文章を作成する
骨子に基づき、論理的で分かりやすい構成を考え、文章を作成します。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
人文学部の特性を踏まえ、あなたの知的好奇心や探求心が伝わるような構成を意識しましょう。
- 志の宣言: 人文学部を志望する結論を冒頭で述べ、あなたの最も関心のある分野やテーマに関する具体的なエピソードや問題提起を行うことで、読み手の興味を引きつけます。
- 一貫性の提示: あなたが特定の分野に強い関心を持つようになったきっかけや、これまでの学びの中で印象に残った経験、あるいは問題意識を持つようになった出来事などを具体的に述べます。
- 志望動機: なぜその大学・学部の人文学部を選んだのか、具体的な学科・専攻、カリキュラム、注目している教授の名前とその研究テーマなどを挙げながら、自身の学びたい内容との関連性を詳細に説明します。入学後、どのような科目を履修し、どのような研究テーマに取り組みたいのか、具体的な計画を示します。図書館の活用、研究会への参加、留学への意欲なども積極的に述べましょう。自身のこれまでの学びや経験が、人文学部での学びにどのように活かせると考えているかを述べると、説得力が増します。
- 〆のひと押し: 人文学部での学びを通して、将来どのような目標を達成したいのか、学んだ知識や思考力をどのように社会に活かしたいのか、具体的なビジョンを述べ、入学への強い決意を示すとともに、あなたの知的好奇心と探求心を印象づけましょう。
人文学部の志望理由書作成のポイント
読み手の心を捉え、高評価を得るための志望理由書を作成するために、以下のポイントを意識しましょう。
- 「なぜ人文学なのか」を明確にする: 他の社会科学や自然科学系の学部ではなく、なぜ「人文学」を学びたいのか、その理由を具体的に示しましょう。人間や文化に対する根源的な問いを探求したいという強い動機を示すことが重要です。
- 具体的な関心分野と研究テーマを絞り込む: 漠然とした興味関心だけでなく、特定の時代、文学作品、思想家、言語、文化など、具体的な対象を定め、それについて深く掘り下げたいという意欲を伝えましょう。
- 知的好奇心と主体的な学びの姿勢をアピールする: 受動的に知識を吸収するだけでなく、自ら問いを立て、積極的に学びを深めようとする姿勢を示すことが重要です。これまでの自主的な学習経験や探求活動などを具体的に述べると良いでしょう。
- 大学・学部の特色と自身の関心を結びつける: 調べた大学・学部の人文学部のカリキュラム、研究分野、教授陣の専門などを具体的に 언급し、あなたの関心のある分野や研究テーマとどのように関連するのかを明確に示しましょう。特定の教授の専門分野に言及するのも効果的です。
- 論理的な思考力と考察力を示す: 感情的な表現に偏るのではなく、客観的な情報や根拠に基づいて論理的に考察する力があることをアピールしましょう。自身の考えを筋道立てて説明することが重要です。
- 将来の目標と学びの繋がりを具体的に示す: 人文学で学んだ知識や思考力を活かして、将来どのような分野で活躍し、社会に貢献したいのか、具体的な目標やキャリアパスを描きましょう。人文学の学びがどのように将来に繋がるのかを示すことが重要です。
- 熱意と情熱を伝える: 人文学に対するあなたの熱い想いと、人間や文化を探求することへの情熱を文章全体から伝えましょう。
- 独自性とオリジナリティを追求する: 他の受験生と似たような内容にならないよう、あなた自身のユニークな経験、視点、問題意識を深く掘り下げ、オリジナリティ溢れる志望理由書を作成しましょう。
人文学部の志望理由書 例文
以下に、人文学部の志望理由書の例文を3つご紹介します。これらを参考に、あなた自身の言葉で、知的好奇心と探求心を表現したオリジナルの志望理由書を作成してください。
例文1:日本の古典文学への深い関心と国文学研究への熱意
「私が〇〇大学文学部国文学科を志望する理由は、幼少の頃より親しんできた日本の古典文学作品に魅せられ、その奥深い世界観や繊細な表現、そしてそこに描かれた人々の感情や文化を深く探求したいという強い思いがあるからです。特に『源氏物語』に心を惹かれ、その複雑な人間関係や王朝文化の美しさ、そして千年以上の時を超えて読み継がれる普遍的な魅力について深く考察してきました。貴学部国文学科では、古典文学に関する専門的な講義や研究指導が充実しており、文献資料の読解や歴史的背景の考察を通して、古典文学研究の基礎をしっかりと学ぶことができると確信しております。特に、〇〇教授の平安文学に関するご研究に感銘を受けており、先生のご指導の下で、『源氏物語』における女性像や王朝文化の研究に没頭したいと考えております。将来は、古典文学の研究者として、日本の豊かな文学遺産の魅力を次世代に伝え、その研究発展に貢献したいと考えております。」
例文2:異文化理解への強い関心と文化人類学への探求心
「グローバル化が加速する現代において、異なる文化を持つ人々が相互理解を深め、共に生きる社会を築くことの重要性を強く感じ、〇〇大学文学部文化人類学科を志望いたします。高校の国際交流プログラムに参加した際、自身の文化とは全く異なる生活様式や価値観に触れ、文化の多様性と奥深さを実感しました。同時に、異文化間の誤解や偏見が存在することも目の当たりにし、文化人類学の視点から様々な文化を客観的に理解し、多文化共生社会の実現に貢献したいと考えるようになりました。貴学部文化人類学科では、多様な地域文化に関する専門的な知識や、フィールドワークなどの実践的な研究手法を学ぶことができるカリキュラムが用意されており、机上の空論ではなく、実際に人々の生活に入り込み、文化を理解する力を養いたいと考えております。特に、〇〇教授の東南アジアの文化に関するご研究に強い関心を持っており、先生のご指導の下で、特定の地域社会における文化や社会構造の研究に励みたいと考えております。将来は、国際協力機関などで、文化人類学の知識を活かして異文化間の架け橋となるような活動に貢献したいと考えております。」
例文3:人間の心の働きへの根源的な問いと哲学への探求心
「幼い頃から抱いてきた『人間とは何か』『幸福とは何か』といった根源的な問いに対し、哲学を通して深く考察したいという強い思いがあり、〇〇大学文学部哲学科を志望いたします。様々な哲学書を読む中で、時代や文化を超えて人類が抱えてきた普遍的な問いに向き合い、多様な思想家たちがそれぞれの答えを探求してきた歴史に感銘を受けました。論理的な思考力や批判的な考察力を養い、物事の本質を見抜く力を身につけたいと考えております。貴学部哲学科では、西洋哲学、東洋哲学、倫理学など、多様な分野の哲学を幅広く学ぶことができるカリキュラムが用意されており、少人数教育による活発な議論を通して、自身の思考を深めることができると確信しております。特に、〇〇教授の倫理学に関するご研究に強い関心を持っており、先生のご指導の下で、現代社会における倫理的な課題について深く考察したいと考えております。将来は、哲学的な思考力を活かして、社会の様々な問題に対し、倫理的な視点から貢献できる人材を目指したいと考えております。」
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
人文学部の総合型選抜における志望理由書は、「なぜ人文学を学びたいのか」「人間や文化のどのような側面に強い関心があるのか」「大学で何を学び、将来どのように社会に貢献したいのか」を、具体的なエピソードや考察を交えながら、論理的にかつ情熱的に語ることが重要です。あなた自身の知的好奇心と探求心を深く掘り下げ、大学への強い思いを込めた志望理由書を作成してください。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。