「海外留学」経験は有利?

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

総合型選抜(旧AO入試)に関心を持つ受験生や保護者の方々にとって、「海外留学経験は有利になるのか?」という疑問は非常によく聞かれるものです。

グローバル化が進む現代において、海外経験は貴重な財産となりますが、それが総合型選抜においてどのように評価されるのか、そしてどのようにアピールすれば良いのか、詳しく見ていきましょう。

総合型選抜専門塾の教務担当者として、海外留学経験を持つ受験生を数多く指導してきた経験を踏まえ、その真相と効果的なアピール方法を徹底解説します。

1. 海外留学経験が総合型選抜で有利になる理由

結論から申し上げますと、海外留学経験は総合型選抜において有利に働く可能性が高いと言えます。

ただし、それは単に「海外に行った」という事実だけではなく、その経験を通して何を学び、どのように成長したのか、そしてそれが志望する大学・学部とどのように結びついているのかが重要になります。

大学側が海外留学経験を評価する主な理由は以下の通りです。

  • 主体性とチャレンジ精神: 見知らぬ土地へ自ら飛び出し、異文化の中で生活しようとした積極性と行動力は、大学が求める主体性やチャレンジ精神の表れと捉えられます。
  • 異文化理解力と多様性: 異なる文化や価値観に触れ、それを受け入れようと努力した経験は、グローバル社会で活躍するために不可欠な異文化理解力や多様性の証となります。
  • コミュニケーション能力: 言葉の壁を乗り越え、現地の人々とコミュニケーションを取ろうとした経験は、実践的なコミュニケーション能力を示すものとして評価されます。
  • 適応力と柔軟性: 慣れない環境に適応し、予期せぬ出来事にも柔軟に対応しようとした経験は、変化の激しい現代社会で求められる適応力や柔軟性を示すものとして評価されます。
  • 語学力: 実際に海外で生活し、言語を用いた経験は、語学学習への意欲や一定の語学力を示すものとして評価されます。
  • 自己成長力: 海外生活を通して、自己認識を深め、新たな価値観を獲得するなど、人間的な成長を遂げた経験は、大学での学びにおいても主体的に成長できる可能性を示唆します。

1.4. 単なる「海外に行った」だけでは不十分

ここで重要なのは、単に「海外に留学した」という事実だけでは、必ずしも有利になるとは限らないということです。

大学側は、あなたがその経験を通して具体的に何を学び、どのように成長したのか、そしてそれが志望する大学・学部でどのように活かせるのかを知りたいと考えています。

例えば、以下のようなケースでは、海外留学経験が十分に評価されない可能性があります。

  • 目的意識の欠如: なぜ留学したのか、何を学びたかったのかが明確でない場合。
  • 受動的な姿勢: 現地の生活に積極的に関わろうとせず、日本人同士で過ごす時間が多かった場合。
  • 表面的で抽象的な記述: 留学経験について、「楽しかった」「良い経験になった」といった抽象的な感想しか述べられない場合。
  • 大学・学部との関連性の不明確さ: 留学経験が、なぜその大学・学部を志望する動機につながったのか、入学後にどのように活かしたいのかが明確に説明できない場合。

つまり、海外留学経験を総合型選抜で有利に活かすためには、その経験を深く掘り下げ、具体的なエピソードとともに、学びと成長、そして大学・学部との関連性を明確に語ることが不可欠なのです。

1.5. 総合型選抜の書類で海外留学経験を効果的にアピールする方法

志望理由書や活動報告書などの提出書類で海外留学経験を効果的にアピールするためには、以下の点を意識しましょう。

  • 留学の目的と目標を明確に記述する: なぜその国を選び、何を学びたいと考えて留学したのか、具体的な目的と目標を記述しましょう。
  • 具体的なエピソードを盛り込む: 留学中に経験した印象的な出来事、困難に直面した経験、そこから得られた学びなどを具体的に記述しましょう。単なる事実の羅列ではなく、感情や思考の変化が伝わるように書くことが重要です。
  • 学びと成長を具体的に示す: 留学を通して、どのような知識やスキルを習得し、どのような価値観の変化があったのか、自己分析に基づいて具体的に記述しましょう。語学力の向上だけでなく、異文化理解、コミュニケーション能力、自立心、問題解決能力など、多角的な視点から成長を捉えることが大切です。
  • 大学・学部との関連性を明確にする: 留学経験を通して得た学びや成長が、なぜその大学・学部で学びたいという動機につながったのか、そして入学後にどのように活かしたいのかを具体的に記述しましょう。大学の理念や教育目標、カリキュラム、研究内容などを踏まえ、自分の経験と結びつけることが重要です。
  • 客観的な視点を取り入れる: 留学経験を主観的に語るだけでなく、ホストファミリーや現地の友人、先生など、他者との関わりを通して得られた気づきや学びも記述することで、客観性を示すことができます。

例文(志望理由書):

「高校1年生の夏休みに、1ヶ月間オーストラリアで語学研修に参加しました。英語力の向上はもちろんのこと、多文化主義が浸透している現地での生活を通して、多様な背景を持つ人々と積極的に交流することの重要性を肌で感じました。特に、ホストファミリーとの夕食時の会話では、日本とオーストラリアの文化や社会問題について意見交換をする中で、自国の文化を客観的に捉え、異なる視点から物事を考えることの面白さを学びました。また、積極的に現地のボランティア活動に参加した経験から、言葉が十分に理解できない中でも、相手を思いやる気持ちと行動力があれば、人と繋がることができると実感しました。この語学研修を通して培った、異なる文化を持つ人々への理解と、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢は、貴学の国際文化学部において、多文化共生社会の実現に向けた学びを深めたいという私の強い動機となっています。入学後は、語学研修で得た経験を活かし、様々な国からの留学生と積極的に交流し、グローバルな視点を持って社会の課題解決に貢献できる人材を目指したいと考えております。」

1.6. 面接で海外留学経験を効果的に語る方法

面接では、提出書類の内容を踏まえつつ、あなたの個性や熱意を直接伝えることが重要です。海外留学経験を面接で効果的に語るためには、以下の点を意識しましょう。

  • 結論を最初に簡潔に述べる: 面接官の質問に対して、まず結論を述べ、その後具体的なエピソードや学びについて説明することで、分かりやすく伝えることができます。
  • 具体的なエピソードを交え、深掘りする: 提出書類に書いたエピソードをさらに具体的に語ったり、書類には書ききれなかった新たなエピソードを交えたりすることで、面接官の興味を引きつけ、理解を深めることができます。
  • 学びと成長を自分の言葉で語る: 留学を通してどのようなことを学び、どのように成長したのかを、飾らない自分の言葉で熱意を持って語りましょう。
  • 大学・学部への入学意欲と将来の展望を結びつける: 留学経験を通して得た学びや成長が、なぜその大学・学部で学びたいという動機につながったのか、そして入学後にどのように活かしたいのか、将来の目標とどのように関連しているのかを明確に伝えましょう。
  • 質問には正直かつ誠実に答える: 面接官の質問を注意深く聞き、意図を正確に理解した上で、正直かつ誠実に答えるように心がけましょう。

面接での想定質問例と回答のポイント:

  • 「海外留学で一番大変だったことは何ですか?どのように乗り越えましたか?」
    • 言葉の壁、文化の違い、ホームシックなど、具体的な困難を挙げ、それをどのように考え、どのように行動して乗り越えようとしたのか、その過程を具体的に説明しましょう。
  • 「海外留学を通して、日本の文化について改めて気づいたことはありますか?」
    • 外から日本の文化を見ることで初めて気づいたこと、日本の良さや課題などを具体的に述べましょう。
  • 「留学経験を活かして、大学でどのようなことに挑戦したいですか?」
    • 留学で得た語学力や異文化理解力を活かして、大学の授業や課外活動、留学プログラムなどにどのように積極的に参加したいかを具体的に述べましょう。
  • 「今回の留学経験を踏まえ、将来どのような分野に進みたいと考えていますか?」
    • 留学経験が、将来の職業選択やキャリアプランにどのように影響を与えたのか、具体的な考えを述べましょう。

1.6. 海外留学経験をさらに深めるために

もしあなたがこれから海外留学を考えているのであれば、以下の点を意識することで、より実りある経験にすることができます。

  • 明確な目的意識を持つ: なぜ留学するのか、何を学びたいのか、どのような経験を積みたいのか、具体的な目的意識を持って臨みましょう。
  • 積極的に現地の人々と交流する: 語学力に自信がない場合でも、積極的にコミュニケーションを取ろうと努力することが大切です。
  • 多様な文化に触れる機会を作る: 積極的に現地のイベントやアクティビティに参加し、多様な文化に触れる機会を作りましょう。
  • 問題意識を持つ: 現地の社会や文化について問題意識を持ち、積極的に学ぶ姿勢を持つことが重要です。
  • 振り返りを行い、言語化する: 留学中に経験したこと、感じたこと、学んだことを記録し、定期的に振り返り、言語化する習慣をつけましょう。

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

海外留学経験は、総合型選抜において有利に働く可能性を秘めていますが、その経験を活かすためには、目的意識を持ち、積極的に行動し、得られた学びと成長を具体的に語ることが重要です。

単なる海外経験として捉えるのではなく、自己成長の糧として深く掘り下げ、志望する大学・学部との結びつきを明確にすることで、あなたの魅力を最大限にアピールし、合格を勝ち取ることができるでしょう。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。