
人文社会学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
人間とは何か、社会はどう成り立っているのか、文化はどのように発展してきたのか…私たちを取り巻く世界には、尽きることのない問いと魅力的な謎が溢れています。もしあなたが、そんな根源的な問いに対し、知的好奇心を燃やし、深く探求したいという強い思いを持っているなら、総合型選抜は、あなたの情熱と探求心を大学に伝え、人文社会学の奥深い世界への扉を開くための絶好のチャンスです。
今回の記事では、人文社会学部への進学を志す皆さんに向けて、総合型選抜の基本から、合否の鍵を握る「志望理由書」の書き方、具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。あなたの知的好奇心と探求心を言葉に乗せ、志望校合格への道を力強くサポートします!
改めて知る総合型選抜:あなたの「好き」を深める入試
総合型選抜(旧AO入試)は、従来の学力試験の点数だけでは測れない、皆さんの個性、意欲、そして将来の可能性を総合的に評価する入試制度です。大学が掲げるアドミッション・ポリシー(求める学生像)と、皆さんのこれまでの経験、興味関心、そして将来の目標がどれだけ合致しているかを、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーションといった多様な方法で丁寧に評価します。
一般選抜(旧一般入試)が一律の学力で評価されるのに対し、総合型選抜は、皆さんが主体的に取り組んできた活動や、そこから得られた学び、そして将来への明確なビジョンが重視されます。「特定の分野に対する強い探求心がある」「学力以外の自分の強みを活かしたい」と考える皆さんにとって、総合型選抜はまさに自分を最大限にアピールできる入試方式と言えるでしょう。
特に人文社会学部は、人間、社会、文化に対する深い興味、多様な価値観への理解、論理的な思考力、批判精神、探求心、そして何よりも知的な好奇心を重視する傾向があります。
合格への羅針盤!人文社会学部 志望理由書の書き方徹底解剖
総合型選抜において、志望理由書はあなたの知的好奇心と探求心を大学に伝えるための、最も重要なプレゼンテーションツールです。人文社会学部への強い思いを効果的に表現し、合格を掴むための具体的な書き方を、段階的に見ていきましょう。
1.書く前の準備:知的好奇心の源泉と大学への接続
心を惹きつける志望理由書は、徹底的な自己分析と人文社会学への深い探求心から生まれます。
① 知的好奇心の源泉を掘り下げる自己対話
あなたが「なぜ?」と感じ、もっと深く知りたいと思うことは何でしょうか?歴史上の出来事、文学作品、異文化、社会現象…過去の経験を振り返りながら、あなたの知的好奇心の根源にある出来事や出会いを具体的に思い出してみましょう。例えば、歴史の授業で特定の人物の生き方に心を惹かれた経験、文学作品を読み解く中で人間の普遍的な感情に触れた経験、異文化交流を通して自分の文化との違いに気づいた経験、社会問題に関するニュースを見て疑問を持った経験などが挙げられます。
- 自身の強みと探求心を結びつける: 自己分析を通じて、人文社会学を学ぶ上で活かせる自分の強み(例:読解力、分析力、論理的思考力、考察力、表現力、多様な視点を持つ力、粘り強く調べる力など)を見つけ出し、アピールポイントを明確にしましょう。同時に、自分の弱点も認識し、それをどのように克服しようと努力しているかを伝えることも重要です。
- 知的好奇心を未来の学びへと繋げる: 人文社会学の学びを通して、将来どのような問いを探求したいのか、どのような知識やスキルを身につけたいのか、具体的な目標を設定しましょう。「社会について深く学びたい」という抽象的な目標ではなく、「〇〇の歴史研究を通して、現代社会の課題の根源を探りたい」「△△の文学作品の研究を通して、人間の普遍的な感情を理解したい」など、より具体的にすることで、大学側にあなたの知的な意欲と目的意識が強く伝わります。
② 志望する大学・学部を知的好奇心のアンテナで捉える
- 大学の理念・アドミッション・ポリシーを知的探求の視点から深く理解する: 大学のウェブサイトや募集要項を隅々まで読み込み、その大学がどのような学問的探求を重視し、どのような人材を求めているのかを理解しましょう。特に、人文社会学部の教育目標、カリキュラム、研究分野、特色あるプログラム(例:特定の地域研究、文献研究、フィールドワーク、哲学対話など)、関連する研究室などを詳細に調べ、あなたの知的好奇心と合致する点を見つけ出すことが不可欠です。
- 探求したい専門分野を自身の知的好奇心と結びつける: 人文社会学部が提供する多様な専門分野(例:歴史学、文学、哲学、社会学、文化人類学、地理学、言語学など)の中から、あなたが特に深く探求したい分野を具体的に特定し、なぜその分野に惹かれるのか、どのような問いを持って研究に取り組みたいのかを明確にしましょう。
- 大学の特色ある環境・リソースを知的探求の舞台として捉える: その大学ならではの図書館の蔵書、博物館・資料館の所蔵品、著名な研究者、海外研究機関との連携、フィールドワークの機会などを調べ、あなたの知的好奇心を満たし、探求を深めるための環境が整っているかを確認しましょう。これらの情報を志望理由書に盛り込むことで、「この大学でこそ私の知的好奇心を満たし、探求を深めたい」という強い気持ちを具体的に示すことができます。
2.構成で知的好奇心を表現する!論理的で情熱的な志望理由書の設計図
自己分析と大学・学部研究に基づき、いよいよ志望理由書を書き始めます。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の基本構成を参考にあなたの知的好奇心と探求心が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「〇〇という問いに対する探求心を抱き、貴学人文社会学部でその探求を深めたいと強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる知的好奇心を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
- 一貫性の提示
- あなたの知的好奇心がどのように芽生え、どのような経験や出会いを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜその出来事に心を惹かれ、どのような疑問を持ったのか、そしてそれに対してどのように向き合ってきたのかを記述しましょう。
- 志望動機
- なぜその大学の人文社会学部を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、特色あるプログラムなど、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい問いや学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という問いに対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という文献研究のプログラムを通して、〇〇に関する一次資料を深く読み解きたい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような問いを軸に学びを進めたいのか、どのような研究に取り組みたいのか、具体的な探求計画を示しましょう。また、将来、人文社会学の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の知的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の研究を通して、現代社会における〇〇という課題の解決に貢献したい」「貴学で培った〇〇の分析力と考察力を活かし、〇〇に関する新たな知見を発見したい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、知的好奇心に基づいた探求活動への真摯な姿勢を述べ、志望理由書を知的な興奮とともに締めくくりましょう。「貴学の自由な学風の中で、自身の知的好奇心を最大限に追求し、人類社会の知的な遺産を未来へと繋ぐ一員になりたいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【人文社会学部特有の視点:知的好奇心のアンテナをアピールする要素】
人文社会学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの知的な魅力と探求心がより深く伝わる内容にすることができます。
- 根源的な問いへの関心: 人間、社会、文化の根源にある問いに対する深い関心と、それに対するあなた自身の考察の萌芽を示す記述。
- 多様な視点と批判精神: 一つの事象を多角的に捉え、既存の知識や常識を批判的に検討しようとする知的な姿勢を示すエピソードや考えを記述する。
- 論理的な思考力と考察力: 複雑な情報を整理し、論理的に分析し、深く考察する能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
- 文献調査能力と読解力: 書籍、論文、史料などを読み解き、そこから新たな知見を得ようとする意欲や、実際に取り組んだ経験を示す。
- 異文化への理解と尊重: 異なる文化や歴史、価値観に対する興味と理解、そして尊重の念を示すエピソードや考えを盛り込む。
- 知的なコミュニケーション能力: 自分の考えを明確かつ論理的に表現し、他者との知的な対話を通して学びを深めようとする姿勢を示す。
3.合格への道標!人文社会学部 志望理由書の例文
ここでは、人文社会学部史学科を志望する架空の受験生「小鳥遊翔太さん」の志望理由書の例文をご紹介します。
【例文:小鳥遊翔太さんの志望理由書】
私が貴学人文社会学部史学科を強く志望する理由は、「なぜ人類はこのような社会を築き上げてきたのか」という根源的な問いに対する探求心を抱き、歴史という壮大な時間軸を通してその答えを探りたいと強く願っているからです。
幼い頃から歴史物語に夢中になり、過去の出来事が現代社会に絶え間なく影響を与えていることに強い興味を抱いてきました。特に、〇〇時代の〇〇という出来事を知った時、一見すると過去の出来事でありながら、現代の社会構造や人々の価値観に深く根ざしていることに気づき、歴史の奥深さと連続性に強い衝撃を受けました。以来、関連書籍を読み漁り、博物館を訪れるなど、自主的に歴史への探求を深めてきました。貴学の〇〇教授の「〇〇史研究」に関する著作を拝読し、実証的な研究に基づきながらも、現代社会への示唆に富む考察に深く感銘を受けました。
貴学人文社会学部史学科では、文献史学、考古学、文化史など、多様な専門分野を横断的に学ぶことができるカリキュラムに加え、豊富な史料に直接触れることができる恵まれた研究環境が用意されていると伺い、私の知的好奇心を深く満たしてくれると確信しています。特に、△△図書館の貴重な古文書のコレクションや、□□博物館との連携による考古学実習は、歴史研究の方法論を実践的に学ぶ上で、非常に貴重な機会となると強く感じています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、〇〇時代の〇〇に関する一次資料を詳細に分析し、当時の社会構造や人々の生活様相を歴史的に解明する研究に積極的に取り組みたいと考えています。また、△△図書館での文献調査や、□□博物館での発掘調査への参加を通して、歴史的遺物から過去の真実を多角的に探求するスキルを磨きたいと考えています。将来的には、博物館の学芸員や歴史研究者として、過去と現代を繋ぐ架け橋となり、歴史の連続性を社会に伝え、未来を考えるための示唆を提供できる人材になりたいと考えています。
貴学の歴史研究における伝統と、豊富な研究資源、そして熱意あふれる教授陣の下で、歴史学に関する専門知識と研究技能を深く学び、長年の夢を実現したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 根源的な問いと個人的な経験の結びつき: 「なぜ人類はこのような社会を築き上げてきたのか」という根源的な問いと、特定の歴史的出来事に衝撃を受けた個人的な経験を結びつけて、知的好奇心の源泉を明確に示しています。
- 大学・学部との深い共鳴: 教授の研究分野や大学の豊富な研究資源(図書館、博物館)など、大学の具体的な特徴と自身の知的好奇心、学びたい分野を明確に結びつけています。
- 具体的な探求計画: 興味のある時代や研究テーマ、活用したい研究資源などを具体的に示すことで、入学後の知的な意欲と計画性をアピールしています。
- 歴史学への深い理解と探求心: 歴史の連続性や一次資料の重要性など、歴史学の主要な概念に触れることで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
- 将来の明確なビジョン: 博物館学芸員や歴史研究者という具体的な将来の目標と、歴史を通して社会に貢献したいという強い意欲を示しています。
最後の仕上げ!志望理由書を知的興奮で満たす最終確認
志望理由書を提出する前に、以下の項目を必ずチェックし、あなたの知的好奇心を最大限に表現しましょう。
- 誤字脱字・文法ミスはないか: 丁寧に読み返し、歴史用語や人名などの表記ミスがないかを確認しましょう。
- 文字数制限は守られているか: 大学が指定する文字数制限を必ず守りましょう。超過や不足がないように注意が必要です。
- 体裁は整っているか: 段落分けや改行が適切に行われ、読みやすい体裁になっているか確認しましょう。
- 表現は具体的か: 抽象的な表現は避け、具体的な歴史的事象や文献名などを挙げて記述するように心がけましょう。
- オリジナリティはあるか: 他の人の例文を参考にするのは良いですが、あなた自身の知的好奇心と探求心を正直に表現することが最も重要です。
- 大学のアドミッション・ポリシーとの整合性: 大学が求める学生像(知的好奇心旺盛で探求心のある人材など)を再度確認し、あなたの強みがそれに合致しているかを意識しましょう。
- 知的好奇心と探求心は伝わっているか: あなたの知的な興奮と、真摯な探求心が読み手に伝わるように、情熱を込めて書きましょう。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの知的好奇心と探求心を大学に直接伝えることができる貴重な機会です。
今回の記事が、皆さんが自身の知的な衝動を整理し、魅力的な志望理由書を作成するための一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。