
現代心理学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
情報化、グローバル化、そして予測不能な社会の変化が押し寄せる現代において、人々の心はかつてないほど多様で複雑になっています。SNSでのコミュニケーション、AIとの共存、多様な価値観の衝突…そんな現代社会のリアルな課題に目を向け、人間の心を深く理解し、より良い共生社会の実現に貢献したいという強い思いを持つ皆さんにとって、総合型選抜は、皆さんの熱意と社会への鋭い視点を大学に伝え、現代心理学の探求へと繋げる絶好のチャンスです。
今回の記事では、現代心理学部への進学を志す皆さんに向けて、総合型選抜の基本から、合否の鍵を握る「志望理由書」の書き方、具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、徹底的に解説していきます。あなたの知的好奇心と現代社会への深い洞察力を効果的に伝え、志望校合格への道を力強くサポートします!
改めて知る総合型選抜:あなたの視点を社会へ繋ぐ入試
総合型選抜(旧AO入試)は、従来の学力試験の点数だけでは測れない、皆さんの個性、意欲、そして将来の可能性を総合的に評価する入試制度です。大学が掲げるアドミッション・ポリシー(求める学生像)と、皆さんのこれまでの経験、興味関心、そして将来の目標がどれだけ合致しているかを、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーションといった多様な方法で丁寧に評価します。
一般選抜(旧一般入試)が一律の学力で評価されるのに対し、総合型選抜は、皆さんが主体的に取り組んできた活動や、そこから得られた学び、そして将来への明確なビジョンが重視されます。「特定の分野に対する強い探求心がある」「学力以外の自分の強みを活かしたい」と考える皆さんにとって、総合型選抜はまさに自分を最大限にアピールできる入試方式と言えるでしょう。
特に現代心理学部は、現代社会の課題に対する強い関心、多様な価値観への理解、情報リテラシー、柔軟な思考力、コミュニケーション能力、そして何よりも「現代」というキーワードに対する鋭い感性を重視する傾向があります。
合格への羅針盤!現代心理学部 志望理由書の書き方徹底解剖
総合型選抜において、志望理由書はあなたの熱意と現代社会に対する深い洞察力を大学に伝えるための、最も重要なプレゼンテーションツールです。現代心理学部への強い思いを効果的に表現し、合格を掴むための具体的な書き方を、段階的に見ていきましょう。
1.書く前の準備:現代社会と「私」の接点を探る
心を惹きつける志望理由書は、徹底的な自己分析と現代社会への深い考察から生まれます。
① 自己分析を現代社会との繋がりの中で深める
- 現代社会の「気になる」を深掘りする自己対話: SNSでの炎上、フェイクニュースの拡散、若者のメンタルヘルス、ジェンダーギャップ、AIと人間の関係…現代社会であなたが「気になる」「なぜ?」と感じる事象は何でしょうか?それらの事象を通して、人間の心や行動についてどんな疑問を持っていますか?過去の経験を振り返りながら、現代社会の出来事と自分の感情や思考を結びつけて考えることで、あなたの問題意識や価値観が明確になります。例えば、SNSでの誹謗中傷を目にした経験から、匿名性の心理に興味を持った、AIの進化に関するニュースを見て、人間の役割について考えた、ジェンダーに関する議論に触れて、社会心理学に関心を持ったなどが挙げられます。
- 自身の強みと現代社会への適応力を客観的に見つめ直す: 自己分析を通じて、現代社会で心理学を学ぶ上で活かせる自分の強み(例:情報収集力、分析力、批判的思考力、コミュニケーション能力、共感性、柔軟性、多様な価値観への理解力など)を見つけ出し、アピールポイントを明確にしましょう。同時に、自分の弱点も認識し、それをどのように克服しようと努力しているかを伝えることも重要です。
- 現代社会における将来の目標を具体的に描く: 現代心理学を学んだ後、どのような分野で活躍したいのか、現代社会のどのような課題解決に貢献したいのか、具体的な目標を設定しましょう。「現代社会の役に立ちたい」という抽象的な目標ではなく、「〇〇の知識を活かしてSNSにおける健全なコミュニケーションを促進したい」「△△の研究スキルを活かして、AI社会における人間の心のあり方を研究したい」など、より具体的にすることで、大学側にあなたの熱意と目的意識が強く伝わります。
② 志望する大学・学部を現代社会との接続点から研究する
- 大学の理念・アドミッション・ポリシーを現代社会の視点から深く理解する: 大学のウェブサイトや募集要項を隅々まで読み込み、その大学が現代社会のどのような課題に関心を持ち、どのような人材を求めているのかを理解しましょう。特に、現代心理学部の教育目標、カリキュラム、研究分野、特色あるプログラム(例:情報心理学、社会心理学、臨床心理学、認知行動科学など、現代社会のニーズに対応した専門分野)、関連する研究室などを詳細に調べ、自分の興味関心と合致する点を見つけ出すことが不可欠です。
- 学びたい専門分野を現代社会の課題と結びつける: 現代心理学部が提供する多様な専門分野の中から、自分が特に興味を持っている分野(例:ソーシャルメディア心理学、消費者心理学、犯罪心理学、異文化心理学、ポジティブ心理学など)を具体的に特定し、なぜその分野が現代社会の課題解決に貢献できると考えるのか、どのようなことを深く学びたいのかを明確にしましょう。
- 大学の特色ある環境・リソースを現代社会との接点から把握する: その大学ならではの研究プロジェクト(例:AIと人間のインタラクションに関する研究、SNS利用者の心理分析、災害時の心理支援に関する研究など)、地域社会との連携、企業との共同研究などを調べ、自分の学びたい環境が整っているかを確認しましょう。これらの情報を志望理由書に盛り込むことで、「この大学でこそ現代社会の課題に心理学で貢献したい」という強い気持ちを具体的に示すことができます。
2.構成で現代社会への洞察を示す!論理的で情熱的な志望理由書の設計図
自己分析と大学・学部研究に基づき、いよいよ志望理由書を書き始めます。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の構成を参考にあなたの現代社会への鋭い視点と心理学への深い探求心が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「現代社会における〇〇という課題に強い関心を持ち、心理学的なアプローチでその解決に貢献したいと考え、貴学現代心理学部を強く志望いたします」のように、現代社会の具体的な課題と心理学への興味を結びつけて結論を述べ、あなたの問題意識を印象的に伝えましょう。
- 一貫性の提示
- 具体的な現代社会の出来事(例:SNSでの情報拡散、AI技術の進化、社会的な偏見や差別など)を取り上げ、それを通して人間の心や行動について考えた経験、心理学関連の書籍やメディアから得た学びなどを具体的に述べます。なぜその事象に問題意識を持ち、心理学がどのように関わると考えたのかを明確に記述しましょう。
- 志望動機
- なぜその大学の現代心理学部を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、現代社会の課題に取り組むプロジェクトなど、大学の具体的な要素に触れながら、自分の問題意識や学びたいこと、研究したいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という問題意識と深く合致している」「貴学の□□という現代社会の課題に取り組むプログラムを通して、実践的なスキルを習得したい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような分野を深く学びたいのか、どのような研究に取り組みたいのか、具体的な学習計画を示しましょう。また、将来、現代心理学の知識を活かして現代社会のどのような課題解決に貢献したいのか、どのような役割を担いたいのかを具体的に語ることで、入学後の意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の知識を習得し、将来は△△のような専門家として、〇〇という現代社会の課題解決に貢献したい」「貴学で培った〇〇の研究スキルを活かし、〇〇に関する新たな心理学的知見を発見したい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、現代心理学の探求を通してより良い社会の実現に貢献したいという意欲を述べ、志望理由書を力強く締めくくりましょう。「貴学の最先端の研究環境で学び、現代社会が抱える心理的な課題の解決に貢献できる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【現代心理学部特有の視点:時代を捉える感性をアピールする要素】
現代心理学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの現代社会に対する鋭い感性と心理学への適性がより深く伝わる内容にすることができます。
- 現代社会の課題に対する深い関心と問題意識: 特定の現代社会の課題(情報化、グローバル化、格差、環境問題など)に対する強い関心と、その背景にある人間の心理に対する独自の考察を示す具体的な記述。
- 情報リテラシーと批判的思考力: 現代社会に溢れる情報に対して、客観的に分析し、批判的に考察する能力を示す経験や考えを記述する。
- 多様な価値観への理解と共感力: 現代社会における多様なライフスタイルや価値観を理解し、共感する姿勢を示すエピソードや考えを盛り込む。
- テクノロジーへの関心と心理学の応用: AI、SNS、VRなどのテクノロジーが人間の心理や行動に与える影響に関心を持ち、心理学をどのように応用できるかを考察する視点を示す。
- 学際的な視点: 心理学だけでなく、社会学、情報学、経済学など、他の分野との関連性にも目を向け、学際的な視点から現代社会の課題を捉えようとする姿勢を示す。
- 倫理的な考察力と社会貢献意識: 現代社会における倫理的な課題(プライバシー、差別、情報操作など)に対する意識や、心理学を通して社会に貢献したいという強い意欲を示す。
3.合格への道標!現代心理学部 志望理由書の例文
ここでは、現代心理学部を志望する架空の受験生「佐々木未来さん」の志望理由書の例文をご紹介します。
【例文:佐々木未来さんの志望理由書】
私が貴学現代心理学部を強く志望する理由は、SNSの急速な普及がもたらすコミュニケーションの変化と、それに伴う若者の心理的な課題に強い関心を持ち、情報心理学の専門的な知識と研究スキルを習得することで、より健全な情報社会の実現に貢献したいと強く考えているからです。
高校生活を送る中で、SNSは私たちのコミュニケーションにおいて不可欠なツールとなりました。しかしその一方で、匿名性による誹謗中傷や、情報過多による心理的な負担、自己肯定感の低下といった問題も深刻化していると感じています。特に、私が所属するボランティア団体での活動を通して、SNSでのいじめや孤立に悩む若者の現状を目の当たりにし、情報社会における心理支援の必要性を痛感しました。貴学の〇〇教授の「SNSにおける情報伝達と心理的影響に関する研究」に関する論文を拝読し、情報心理学が現代社会の課題解決に果たす役割の大きさを改めて認識いたしました。
貴学現代心理学部では、情報心理学、社会心理学、認知心理学など、現代社会の課題に対応した専門分野を横断的に学ぶことができるカリキュラムが用意されており、私の問題意識に応える学びが得られると確信しています。特に、△△研究室におけるSNS利用者の心理分析に関する研究や、□□センターとの連携による情報リテラシー教育に関する実践的な取り組みは、将来、情報社会における心理支援の専門家として活躍するために不可欠な学びの機会となると強く感じています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、SNSにおける若者のコミュニケーション特性と心理的Well-beingに関する研究に積極的に取り組み、健全なSNS利用を促進するための具体的な方策を提案したいと考えています。また、□□センターでのボランティア活動にも積極的に参加し、情報リテラシー教育の現場で実践的なスキルを習得したいと考えています。将来的には、教育機関やIT企業などで、情報心理学の専門家として、若者の健全な情報社会への適応を支援し、より良いコミュニケーション環境の実現に貢献できる人材になりたいと考えています。
貴学の最先端の研究環境と、現代社会の課題に積極的に取り組む教授陣の下で、現代心理学に関する専門知識と研究スキルを深く学び、将来の夢を実現したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 現代社会の具体的な課題意識: SNSと若者の心理という現代社会の具体的な課題に焦点を当て、問題意識を明確に示しています。
- 大学・学部との明確な接続: 教授の研究分野や大学のセンターにおける取り組みなど、大学の具体的な特徴と自身の問題意識、学びたい分野を明確に結びつけています。
- 入学後の具体的な学習計画: 研究テーマや参加したい活動など、入学後の具体的な学習計画を示すことで、目的意識の高さをアピールしています。
- 現代心理学への深い理解と関心: 情報心理学という専門分野への関心と、その研究内容への理解を示すことで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
- 社会貢献への強い意欲: 若者の健全な情報社会への適応を支援したいという、具体的な社会貢献への意欲が伝わってきます。
最後の仕上げ!志望理由書を完成させるための最終確認
志望理由書を提出する前に、以下の項目を必ずチェックし、万全の状態で提出に臨みましょう。
- 誤字脱字・文法ミスはないか: 丁寧に読み返し、特に現代社会に関する専門用語や固有名詞の表記ミスがないかを確認しましょう。
- 文字数制限は守られているか: 大学が指定する文字数制限を必ず守りましょう。超過や不足がないように注意が必要です。
- 体裁は整っているか: 段落分けや改行が適切に行われ、読みやすい体裁になっているか確認しましょう。
- 表現は具体的か: 抽象的な表現は避け、具体的な現代社会の事象や自身の経験に基づいて記述するように心がけましょう。
- オリジナリティはあるか: 他の人の例文を参考にするのは良いですが、あなた自身の視点や考えを正直に表現することが最も重要です。
- 大学のアドミッション・ポリシーとの整合性: 大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)を再度確認し、あなたの強みや目標がそれに合致しているかを意識しましょう。
- 熱意と意欲は伝わっているか: 現代社会の課題に対するあなたの強い関心と、現代心理学への深い探求心が読み手に伝わるように、心を込めて書きましょう。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの現代社会に対する鋭い感性と、心理学への熱い探求心を大学に直接伝えることができる貴重な機会です。
今回の記事が、皆さんが自身の思いを整理し、魅力的な志望理由書を作成するための一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。