
情報数理学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
AI、ビッグデータ、金融工学、暗号理論…現代社会は、数理的な思考力と情報技術の融合によって支えられています。もしあなたが、数理の美しさと情報技術の可能性に魅せられ、論理的思考力と問題解決能力を駆使して未来を切り拓きたいという強い思いを持っているなら、総合型選抜は、あなたの探求心と数理的センスを大学に伝え、情報数理学の世界への扉を開くための絶好のチャンスです。
今回の記事では、情報数理学部への進学を志す皆さんに向けて、総合型選抜の基本から、合否の鍵を握る「志望理由書」の書き方、具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。あなたの論理的思考力と数理への情熱を言葉に乗せ、志望校合格への道を力強くサポートします!
改めて知る総合型選抜:あなたの「才能」を最大限に活かす入試
総合型選抜(旧AO入試)は、従来の学力試験の点数だけでは測れない、皆さんの個性、意欲、そして将来の可能性を総合的に評価する入試制度です。大学が掲げるアドミッション・ポリシー(求める学生像)と、皆さんのこれまでの経験、興味関心、そして将来の目標がどれだけ合致しているかを、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーションといった多様な方法で丁寧に評価します。
一般選抜(旧一般入試)が一律の学力で評価されるのに対し、総合型選抜は、皆さんが主体的に取り組んできた活動や、そこから得られた学び、そして将来への明確なビジョンが重視されます。「特定の分野に対する強い探求心がある」「学力以外の自分の強みを活かしたい」と考える皆さんにとって、総合型選抜はまさに自分を最大限にアピールできる入試方式と言えるでしょう。
特に情報数理学部は、数学的な思考力、論理的思考力、問題解決能力、情報技術への関心、探求心、そして抽象的な概念を理解する能力を重視する傾向があります。
合格への鍵!情報数理学部 志望理由書の書き方徹底解説
総合型選抜において、志望理由書はあなたの熱意と才能を大学に伝えるための、最も重要なプレゼンテーションツールです。情報数理学部への強い思いを効果的に表現し、合格を掴むための具体的な書き方を、段階的に見ていきましょう。
1.書く前の準備:数理への情熱と論理的思考を深める
心を惹きつける志望理由書は、徹底的な自己分析と情報数理学への深い探求心から生まれます。
① 数理への情熱と論理的思考を掘り下げる自己対話
あなたが「美しい」「面白い」「解き明かしたい」と感じる数理的な問題や概念は何でしょうか?数学の定理、アルゴリズム、暗号、統計、シミュレーション…過去の経験を振り返りながら、あなたの探求心の根源にある出来事や出会いを具体的に思い出してみましょう。例えば、数学オリンピックやコンテストに参加した経験、プログラミングで複雑な問題を解決した経験、統計分析で新たな知見を得た経験、暗号理論に魅せられた経験などが挙げられます。
- 自身の強みと情報数理への適性を結びつける: 自己分析を通じて、情報数理学を学ぶ上で活かせる自分の強み(例:論理的思考力、数学的な思考力、抽象的思考力、問題解決能力、探求心、プログラミングスキル、分析力など)を見つけ出し、アピールポイントを明確にしましょう。同時に、自分の弱点も認識し、それをどのように克服しようと努力しているかを伝えることも重要です。
- 数理を通して実現したい未来を描く: 数理と情報技術を通して、将来どのようなことを実現したいのか、どのような社会課題を解決したいのか、どのような新たな価値を創造したいのか、具体的な目標を設定しましょう。「数学が好きだから」「プログラミングができるようになりたい」という抽象的な目標ではなく、「〇〇の数理モデルを開発して、気候変動問題の解決に貢献したい」「△△の知識を活かして、金融市場の予測システムを構築したい」など、より具体的にすることで、大学側にあなたの知的な意欲と目的意識が強く伝わります。
② 志望する大学・学部を知的好奇心のアンテナで捉える
- 大学の理念・アドミッション・ポリシーを数理的探求と社会貢献の視点から深く理解する: 大学のウェブサイトや募集要項を隅々まで読み込み、その大学がどのような学問的探求を重視し、どのような人材を求めているのかを理解しましょう。特に、情報数理学部の教育目標、カリキュラム、研究分野、特色あるプログラム(例:数理モデル、データサイエンス、AI、金融工学、暗号理論など、数理と情報技術の融合を学ぶプログラム)、関連する研究室などを詳細に調べ、あなたの探求心と合致する点を見つけ出すことが不可欠です。
- 探求したい専門分野を自身の数理への情熱と結びつける: 情報数理学部が提供する多様な専門分野の中から、あなたが特に深く探求したい分野を具体的に特定し、なぜその分野に惹かれるのか、どのような問いを持って研究に取り組みたいのか、そしてその研究を通して社会のどのような課題解決に貢献できると考えるのかを明確にしましょう。
- 大学の特色ある環境・リソースを数理的才能を発揮する舞台として捉える: その大学ならではの研究施設、図書館の蔵書、著名な研究者、企業との共同研究、ハッカソンやコンテストへの参加機会などを調べ、あなたの数理的才能を発揮し、探求を深めるための環境が整っているかを確認しましょう。これらの情報を志望理由書に盛り込むことで、「この大学でこそ私の数理的才能を最大限に開花させ、情報数理学で未来を創造したい」という強い気持ちを具体的に示すことができます。
2.構成で論理的思考を表現する!論理的で情熱的な志望理由書の設計図
自己分析と大学・学部研究に基づき、いよいよ志望理由書を書き始めます。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の基本構成を参考にしてあなたの論理的思考力と数理への情熱が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「〇〇という数理的な問題に強い関心を持ち、論理的思考力と数理的知識を駆使してその解決に貢献したいと考え、貴学情報数理学部を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる数理への探求心と、論理的思考力を活かして未来を切り拓きたいという強い意志を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
- 一貫性の提示
- あなたの数理への探求心がどのように育まれ、どのような経験や出会いを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜその問題に心を惹かれ、どのような思考プロセスを経て解決に至ったのか、あるいはどのような数理的な概念に魅せられたのかを記述しましょう。
- 志望動機
- なぜその大学の情報数理学部を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設、特色あるプログラム、企業との共同研究など、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という問題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□というプログラムを通して、〇〇の数理モデルを学び、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような数理的な問題を解決したいのか、どのような研究に取り組みたいのか、具体的な活動計画を示しましょう。また、将来、情報数理学の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の知的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の数理モデルを開発し、〇〇という社会課題の解決に貢献したい」「貴学で培った〇〇の知識やスキルを活かし、〇〇という分野で新たな価値を創造したい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、情報数理学を通してより良い未来を創造したいという意欲を述べ、志望理由書を数理的な興奮とともに締めくくりましょう。「貴学の自由な発想を育む環境の中で、情報数理学の可能性を追求し、未来社会をデザインできる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【情報数理学部特有の視点:数理への情熱と論理的思考をアピールする要素】
情報数理学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの数理的才能と論理的思考力がより深く伝わる内容にすることができます。
- 数理への深い興味と探求心: 数学、統計学、情報科学、数理モデル、アルゴリズム、暗号理論など、数理の特定の分野に対する強い興味と、その原理を深く理解しようとする探求心を示す記述。
- 論理的思考力と数学的な思考力: 数学的な問題を論理的に分析し、抽象的な概念を理解し、数学的な証明を行う能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
- 問題解決能力とモデル化能力: 現実世界の複雑な問題を数理モデルとして捉え、解決策を導き出す能力を示す具体的な経験や取り組みを記述する。
- プログラミングスキル: これまでに習得したプログラミング言語や開発経験、作成したプログラムなど、プログラミングスキルを具体的に記述する。
- 情報技術への関心: 情報技術の進展に対する関心と、数理的な知識を情報技術に応用しようとする意欲を示す。
- 粘り強さ: 困難な問題に対しても、粘り強く思考し、解決策を見つけ出そうとする姿勢を示す。
3.合格への道標!情報数理学部 志望理由書の例文
ここでは、情報数理学部数理情報学科を志望する架空の受験生「青山凛さん」の志望理由書の例文をご紹介します。
【例文:青山凛さんの志望理由書】
私が貴学情報数理学部数理情報学科を強く志望する理由は、気候変動という地球規模の課題に強い関心を抱き、数理モデルとデータ分析を駆使して、持続可能な社会の実現に貢献したいという強い思いがあるからです。
高校生になった時から、異常気象や自然災害のニュースに触れる中で、気候変動問題の深刻さを実感し、その解決に貢献したいと考えるようになりました。数学や物理を学ぶ中で、気候変動のメカニズムを数理モデルとして記述できることを知り、数理モデルとデータ分析を通して、気候変動問題の解決に貢献できるのではないかと考えました。高校3年生の時には、統計分析コンテストに参加し、過去の気象データを用いて将来の気温変化を予測するモデルを構築し、優秀賞を受賞しました。貴学の〇〇教授の「気候変動に関する数理モデルの研究」に関する論文を拝読し、数理モデルの社会貢献への可能性に改めて感銘を受けました。
貴学情報数理学部数理情報学科では、数理モデル、統計学、データサイエンスなど、気候変動問題の解決に必要な専門知識と技術を学ぶことができるカリキュラムに加え、気候変動研究機関との連携による実践的な研究プロジェクトに参加できる機会が豊富に用意されていると伺い、私の気候変動問題への貢献意欲を実現するための学びの場として、強く魅力を感じています。特に、△△研究室における気候変動予測モデルの開発や、□□研究機関との連携によるデータ分析プロジェクトは、数理モデルとデータ分析を通して気候変動問題の解決に貢献したいという私の目標と強く合致しています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、気候変動予測モデルの精度向上に関する研究に積極的に取り組み、将来の気候変動をより正確に予測するためのモデルを開発したいと考えています。また、□□研究機関でのデータ分析プロジェクトにも積極的に参加し、気象データや環境データを分析することで、気候変動の影響を評価し、対策を提案するためのスキルを習得したいと考えています。将来的には、気象庁や環境省などの研究機関や、環境コンサルタント会社などで、気候変動問題の解決に貢献できる数理モデルの専門家になり、持続可能な社会の実現に貢献できる人材になりたいと考えています。
貴学の気候変動問題への貢献という理念と、数理モデルにおける豊富な研究実績、そして熱意あふれる教授陣の下で、情報数理学に関する専門知識と研究スキルを深く学び、長年の夢を実現したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 社会課題への強い関心と数理による解決意欲: 気候変動という地球規模の課題に焦点を当て、数理モデルとデータ分析を通してその解決に貢献したいという強い意志を明確に示しています。
- 数理への情熱と論理的思考: 気候変動のメカニズムを数理モデルとして記述できることを知り、将来の気温変化を予測するモデルを構築した経験を記述することで、数理への情熱と論理的思考力をアピールしています。
- 大学・学部との明確な接続: 教授の研究分野や大学の研究機関との連携など、大学の具体的な特徴と自身の学びたい分野、社会貢献への意欲を明確に結びつけています。
- 具体的な探求計画: 気候変動予測モデルの精度向上に関する研究や、データ分析プロジェクトへの参加など、入学後の具体的な学習計画を示すことで、目的意識の高さをアピールしています。
- 情報数理学への深い理解と関心: 数理モデル、統計学、データサイエンスなど、情報数理学の主要な分野への関心を示すことで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
最後の仕上げ!志望理由書を論理的思考と数理への情熱で満たす最終確認
志望理由書を提出する前に、以下の項目を必ずチェックし、あなたの論理的思考力と数理への情熱を最大限に表現しましょう。
- 誤字脱字・文法ミスはないか: 丁寧に読み返し、数理モデル、統計学、データサイエンスなど、情報数理学に関する専門用語や固有名詞の表記ミスがないかを確認しましょう。
- 文字数制限は守られているか: 大学が指定する文字数制限を必ず守りましょう。超過や不足がないように注意が必要です。
- 体裁は整っているか: 段落分けや改行が適切に行われ、読みやすい体裁になっているか確認しましょう。
- 表現は具体的か: 抽象的な表現は避け、具体的な数理モデルやデータ分析の経験に基づいて記述するように心がけましょう。
- オリジナリティはあるか: 他の人の例文を参考にするのは良いですが、あなた自身の考えや経験を正直に表現することが最も重要です。
- 大学のアドミッション・ポリシーとの整合性: 大学が求める学生像(論理的思考力に優れ、数理的な探求心を持つ人材など)を再度確認し、あなたの強みがそれに合致しているかを意識しましょう。
- 論理的思考と数理への情熱は伝わっているか: あなたの数理的な才能と、情報数理学を通して未来を切り拓きたいという強い意志が読み手に伝わるように、情熱を込めて書きましょう。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの数理的な才能と論理的思考力を大学に直接伝えることができる貴重な機会です。
今回の記事が、皆さんが自身の思いを整理し、魅力的な志望理由書を作成するための一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。