
心理学部の志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
人の心は、時に深く複雑で、時に繊細で温かい。私たちは、その心の動きに魅せられ、理解したい、支えたいという強い思いを抱くことがあります。もしあなたが、そんな人間の心の奥深くに分け入り、そのメカニズムを解明したいという熱意を持っているなら、総合型選抜は、あなたの情熱と知的好奇心を大学に伝え、心理学への扉を開くための絶好のチャンスです。
今回の記事では、心理学部への進学を志す皆さんに向けて、総合型選抜の基本から、合否の鍵を握る「志望理由書」の書き方、具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。あなたの探求心と人間への温かい眼差しを効果的に伝え、志望校合格への道を力強くサポートします!
改めて知る総合型選抜:あなたの「好き」を力に変える入試
総合型選抜(旧AO入試)は、単なる学力試験の点数だけでは測れない、皆さんの個性、意欲、そして将来の可能性を総合的に評価する入試制度です。大学が掲げるアドミッション・ポリシー(求める学生像)と、皆さんのこれまでの経験、興味関心、そして将来の目標がどれだけ合致しているかを、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーションといった多様な方法で丁寧に評価します。
一般選抜(旧一般入試)が一律の学力で評価されるのに対し、総合型選抜は、皆さんが主体的に取り組んできた活動や、そこから得られた学び、そして将来への明確なビジョンが重視されます。「特定の分野に対する強い探求心がある」「学力以外の自分の強みを活かしたい」と考える皆さんにとって、総合型選抜はまさに自分を最大限にアピールできる入試方式と言えるでしょう。
特に心理学部は、人間の心に対する深い興味、共感性、倫理観、探求心、客観的な分析力など、皆さんの内面的な資質を重視する傾向があります。
合格への羅針盤!心理学部 志望理由書の書き方徹底解剖
総合型選抜において、志望理由書はあなたの情熱と適性を大学に伝えるための、最も重要な自己紹介状です。心理学部への強い思いを効果的に表現し、合格を掴むための具体的な書き方を、段階的に見ていきましょう。
1.書く前の準備:自己と心理学への深い対話
心を揺さぶる志望理由書は、徹底的な自己分析と心理学への深い探求心から生まれます。
① 自己分析を深く掘り下げる
- 「なぜ?」を繰り返す自己対話: なぜ心理学に興味を持ったのか、人間の心についてどんな疑問を持っているのか、どんな時に心の動きに心を惹かれるのか。過去の経験を振り返りながら、「なぜ?」を繰り返し自問自答することで、あなたの根源的な興味関心や価値観が明確になります。例えば、友人関係での悩みを通して人の気持ちの複雑さを感じた経験、メディアで紹介された心理学の実験に強い興味を持った経験、身近な人の心の変化に気づき、何か力になりたいと思った経験などが挙げられます。
- 自身の強みと弱みを客観的に見つめ直す: 自己分析を通じて、心理学を学ぶ上で活かせる自分の強み(例:共感性、傾聴力、観察力、分析力、論理的思考力、探求心など)を見つけ出し、アピールポイントを明確にしましょう。同時に、自分の弱点も認識し、それをどのように克服しようと努力しているかを伝えることも重要です。
- 将来の目標を具体的に思い描く: 心理学を学んだ後、どのような分野で活躍したいのか、どのような貢献をしたいのか、具体的な目標を設定しましょう。「人の役に立ちたい」という抽象的な目標ではなく、「〇〇の知識を活かして学校現場で子どもたちの心のケアに携わりたい」「△△の研究スキルを活かして、ストレス社会におけるメンタルヘルスの改善に貢献したい」など、より具体的にすることで、大学側にあなたの熱意と目的意識が強く伝わります。
② 志望する大学・学部を徹底的に研究する
- 大学の理念・アドミッション・ポリシーを深く理解する: 大学のウェブサイトや募集要項を隅々まで読み込み、その大学がどのような学生を求めているのかを理解しましょう。特に、心理学部の教育目標、カリキュラム、研究分野、特色あるプログラム(例:臨床心理学、発達心理学、社会心理学、認知心理学など)、関連する研究室などを詳細に調べ、自分の興味関心と合致する点を見つけ出すことが不可欠です。
- 学びたい専門分野を明確にする: 心理学部は、非常に幅広い領域を扱います。自分が特に興味を持っている分野(例:発達心理学における〇〇の研究、臨床心理学における△△の支援方法、社会心理学における□□の現象など)を具体的に特定し、なぜその分野に興味があるのか、どのようなことを深く学びたいのかを明確にしましょう。
- 大学の特色ある環境・リソースを把握する: その大学ならではの研究施設、地域連携プロジェクト、著名な教授陣、関連する学会や研究機関との繋がりなどを調べ、自分の学びたい環境が整っているかを確認しましょう。これらの情報を志望理由書に盛り込むことで、「この大学でこそ学びたい」という強い気持ちを具体的に示すことができます。
2.構成で知的好奇心を表現する!論理的で情熱的な志望理由書の設計図
自己分析と大学・学部研究に基づき、いよいよ志望理由書を書き始めます。
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の基本構成を参考に読み手にあなたの知的好奇心と人間への温かい眼差しが伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「人間の心の複雑さと奥深さに魅せられ、貴学心理学部でその探求を深めたいと強く志望いたします」のように、結論を冒頭で明確に示し、あなたの知的好奇心を印象的に伝えましょう。
- 一貫性の提示
- 具体的なエピソードを交えながら、心理学に興味を持つようになった原体験や、これまでの学習活動の中で特に印象に残った経験を述べます。例えば、友人や家族の心の変化に気づき、心理学の本を読み始めた経験、ニュースで報道された社会問題の背景にある心理に興味を持った経験、ボランティア活動を通して人々の心のケアの必要性を感じた経験などが挙げられます。
- 志望動機
- なぜその大学の心理学部を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、研究施設など、大学の具体的な要素に触れながら、自分の学びたいこと、研究したいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究に感銘を受け、~について深く学びたい」「貴学の□□実習プログラムを通して、実践的なスキルを習得したい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような分野を深く学びたいのか、どのような研究に取り組みたいのか、具体的な学習計画を示しましょう。また、将来、心理学の知識を活かしてどのような目標を達成したいのか、どのような役割を担いたいのかを具体的に語ることで、入学後の意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇の知識を習得し、将来は△△のような臨床心理士として活躍したい」「貴学で培った〇〇の研究スキルを活かし、教育現場における心理支援のあり方を研究したい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、心理学の探求を通して社会に貢献したいという意欲を述べ、志望理由書を力強く締めくくりましょう。「貴学の恵まれた環境で学び、人々の心の健康に貢献できる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【心理学部特有の視点:深掘りすべき要素】
心理学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの適性と熱意がより深く伝わる内容にすることができます。
- 人間に対する深い興味と共感力: 他者の感情や立場を理解しようとする姿勢、共感する心、そして人間そのものへの深い興味を示す具体的なエピソードを盛り込む。
- 倫理的な考察力: 心理学の研究や実践における倫理的な課題に対する意識や、倫理的に問題を考察する姿勢を示す。
- 客観性と論理的思考力: 感情的な記述に偏らず、客観的な視点を持って物事を分析し、論理的に思考する能力を示す経験や考えを記述する。
- 探求心と知的好奇心: 未知の領域を探求しようとする意欲や、心理学の様々な分野に対する知的な好奇心を示す具体的なエピソードや疑問を提示する。
- コミュニケーション能力と傾聴力: 他者の話を注意深く聞き、適切にコミュニケーションを取る能力を示すエピソードを盛り込む。
- ストレス耐性と問題解決能力: 困難な状況にも粘り強く向き合い、問題解決に向けて主体的に取り組むことができる経験を示す。
3.合格への道標!心理学部 志望理由書の例文
ここでは、心理学部を志望する架空の受験生「木村彩音さん」の志望理由書の例文をご紹介します。
【例文:木村彩音さんの志望理由書】
私が貴学心理学部を強く志望する理由は、人が抱える心の痛みに寄り添い、その回復を支援できる臨床心理士になるという明確な目標を持ち、貴学の専門的な学びを通してその夢を実現したいと強く願っているからです。
高校1年生の頃、親友が人間関係の悩みを抱え、塞ぎ込んでしまった経験が、私の心理学への関心の原点です。彼女の話をじっくりと聞く中で、言葉にならない心の叫びや、複雑な感情の動きがあることを痛感し、「人の心とは何なのだろう」「どうすれば彼女の力になれるのだろう」と強く考えるようになりました。以来、心理学に関する入門書を読むだけでなく、ボランティア活動を通して様々な年代の方と接する中で、一人ひとりが異なる心の課題を抱えていることを学びました。貴学の〇〇教授の「トラウマと回復に関する臨床心理学的研究」に関する著書を拝読し、心の傷ついた人々への深い洞察と、科学的な根拠に基づいた支援の重要性に深く感銘を受けました。
貴学心理学部では、臨床心理学の専門的な知識と技能を深く学ぶことができるカリキュラムに加え、附属の相談機関での実践的な実習機会が豊富に用意されていると伺い、強く魅力を感じています。特に、△△研究室における最新の心理療法に関する研究や、□□病院との連携による実習プログラムは、将来臨床心理士として活動するために不可欠な実践力を養う上で、非常に貴重な学びの機会となると確信しています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、トラウマを抱える人々の心理的回復プロセスに関する研究に積極的に取り組み、科学的根拠に基づいた効果的な支援方法を深く探求したいと考えています。また、附属相談機関での実習を通して、多様な悩みを抱える人々に寄り添い、心理的なサポートを提供する実践的なスキルを習得したいと考えています。将来的には、病院や学校などの臨床現場で、心の痛みを抱える人々が再び自分らしく生きられるよう支援できる臨床心理士として活躍し、社会の心の健康に貢献できる人材になりたいと考えています。
貴学の充実した教育環境と、臨床心理学分野における卓越した研究実績、そして熱意あふれる教授陣の下で、心理学に関する専門知識と実践的なスキルを深く学び、将来の夢を実現したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 具体的な原体験と明確な目標: 親友の経験という具体的な原体験と、臨床心理士になるという明確な目標を結びつけて語ることで、志望動機に強い説得力を持たせています。
- 大学・学部との深い結びつき: 教授の研究分野や附属相談機関での実習など、大学の具体的な特徴と自身の学びたいこと、将来の目標を明確に結びつけています。
- 入学後の具体的な学習計画: 研究テーマや実習への意欲など、入学後の具体的な学習計画を示すことで、目的意識の高さをアピールしています。
- 心理学への深い理解と探求心: 臨床心理学の専門的な知識や研究内容に触れることで、学部への適性と学習意欲を示唆しています。
- 共感性と貢献意欲: 他者の痛みに寄り添い、支援したいという温かい気持ちと、社会に貢献したいという強い意欲が伝わってきます。
最後の仕上げ!志望理由書を完成させるための最終確認
志望理由書を提出する前に、以下の項目を必ずチェックし、万全の状態で提出に臨みましょう。
- 誤字脱字・文法ミスはないか: 丁寧に読み返し、誤字脱字や文法ミスがないかを確認しましょう。第三者に読んでもらい、客観的な意見をもらうことも有効です。
- 文字数制限は守られているか: 大学が指定する文字数制限を必ず守りましょう。超過や不足がないように注意が必要です。
- 体裁は整っているか: 段落分けや改行が適切に行われ、読みやすい体裁になっているか確認しましょう。
- 表現は具体的か: 抽象的な表現は避け、具体的なエピソードや事実に基づいて記述するように心がけましょう。
- オリジナリティはあるか: 他の人の例文を参考にするのは良いですが、自分の言葉で、自分の経験や考えを正直に表現することが最も重要です。
- 大学のアドミッション・ポリシーとの整合性: 大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)を再度確認し、自分の強みや目標がそれに合致しているかを意識しましょう。
- 熱意と意欲は伝わっているか: 心理学への深い興味と、将来心理学を活かして社会に貢献したいというあなたの熱意が読み手に伝わるように、心を込めて書きましょう。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの知的好奇心と人間への温かい眼差しを大学に直接伝えることができる貴重な機会です。
今回の記事が、皆さんが自身の思いを整理し、魅力的な志望理由書を作成するための一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。